脊髄空洞症 セキズイクウドウショウ

初診に適した診療科目

脊髄空洞症はどんな病気?

脊髄は脳脊髄液と呼ばれる液体の中にあり、その液体によって外部からの衝撃から守られています。何らかの原因によって脊髄の中心に脳脊髄液がたまった空洞を生じてしまう病気のことを、脊髄空洞症といます。脊髄が内部から圧迫されることで、さまざまな歩行障害や感覚障害などの神経症状が現れるのが特徴です。治療については、薬剤による対処療法や外科的な手術が行われています。

主な症状

脊髄空洞症の初期症状としては、片腕の感覚障害や脱力が主です。感覚障害では強くつねられても痛みを感じなかったり、熱さ冷たさを全く感じなくなったりします。また、脱力では腕に力が入らない、重苦しい、しびれを感じるといった特徴があります。さらに悪化し空洞が大きくなると、空洞ができた部分の筋肉のやせ、つっぱり、脱力がみられます。空洞が拡大するにつれて他の部位に広がり、関節障害や手足の異常な肥大がみられます。

主な原因

脊髄空洞症における空洞のできるメカニズムの詳細は、未だに解明されていませんが、大まかに次の原因が指摘されています。キアリ奇形、癒着性クモ膜炎、脊髄炎によるもの、および脊髄出血によるものなどがあります。上記で挙げた例のうち、最も代表的であるのがキアリ奇形によるものです。また、状況によっては、特定が難しいケースも稀に存在します。

主な検査と診断

脊髄空洞症には、MRIによる検査方法がベストであると言われています。また、体内金属でMRIが使えない場合でも、水溶性造影剤によるCTミエログラフィーという機械による空洞確認を行うことができます。いずれも頸椎を検査することによって脊髄に空洞が見られれば、発症を認めることができます。MRI画像のT1強調像で黒い影、T2強調像で白い影が見られれば診断がつきます。

主な治療方法

脊髄空洞症の治療法は、薬剤治療や手術などの方法によって行われます。痺れなどの感覚異常に対しては、薬物による治療が有効です。また病状の進行の予防や改善のために手術を行うことも有効です。首周辺の脊髄の空間を広げることによって滞っている髄液の流れを促し、その結果として、脊髄の空洞が縮小して病状が改善していく事が期待できます。