蟯虫症 ギョウチュウショウ

初診に適した診療科目

蟯虫症はどんな病気?

蟯虫症は腸や肛門への寄生虫感染で小児に多くみられますが、大人も感染します。夜中に肛門から這い出してきて肛門の周囲に卵を産み付けるため強いかゆみを訴えるほか、盲腸に寄生しているという特徴から虫垂炎の原因になることもあります。
人から人への感染が起こるので、家庭内や学校、保育園、幼稚園などで集団で感染しているケースも少なくありません。

主な症状

蟯虫は感染しても重篤な症状が出ることはなく、全身状態は良好であることがほとんどです。
症状はほとんどない場合も多いですが、主なものは、肛門周囲のかゆみがあげられます。
掻くことで手指に虫卵が付着するため、家族内で感染者が一人出ると、全員に感染が広がることが多いです。また、小児に感染した場合は、肛門のかゆみにより集中力が低下したり、夜よく眠れなくなったりします。

主な原因

蟯虫症は、ほこりや手指の汚れなどを介して、蟯虫の幼虫包蔵卵を経口摂取することにより感染します。
蟯虫の虫卵は糞便中に排出されるため、糞便により汚染された手指が原因となることが多いです。
また、蟯虫は肛門周囲のかゆみをもたらすため、肛門周囲を掻いて手指が汚染されることがあります。これにより食品や食器が汚染されることで、家族内での感染拡大につながります。

主な検査と診断

蟯虫症の検査方法としましては、蟯虫は腸内では産卵しないので、便のなかに卵は現れません。肛門周囲に産みつけられた卵を検出するには主に肛囲検査法を使い、テープで肛門周囲を拭ってから、テープに虫卵が付着しているのが見つかれば診断が付きます。
蟯虫用の専用検査紙があります。ただ毎日卵を産むわけではないので、日を変えて2回か3日連続して検査します。

主な治療方法

肛門からの虫卵検出により蟯虫症と診断された場合には、コンバントリンという駆虫薬による治療を行います。これは蟯虫に対して有効な駆虫薬で、この治療法により腸管内に寄生した蟯虫を駆虫することができます。
しかし、同居家族に1人でも感染者が残っていると、その人から再び感染が広まる恐れがあります。そのため、感染者とその同居家族全員に対して、検査、治療を行う必要があります。