中咽頭がん チュウイントウガン

中咽頭がんはどんな病気?

中咽頭がんとは、中咽頭と呼ばれる鼻や口の奥にあるのどの部分に発生するがんの一種です。このがんは、中咽頭の粘膜の細胞が、何らかの原因によって異常に増殖することによって起こります。良性の場合と悪性の場合がありますが、悪性の場合は、手術や抗がん剤などの薬剤投与によって治療を行うことになります。遺伝によるケースが疑われる場合もあります。

主な症状

中咽頭がんでは、のどの違和感やしみる感じが見られるほか、のどの痛みや発音がしにくいという症状をはじめに感じる方が多いです。もちろん自覚がなく、検査によって発覚するという方もいます。がんが進行していくと上記の特徴に加えて、食べ物が飲み込みづらい、強い痛み、出血などが見られます。特に呼吸困難になると大変危険な状態であるのですぐに治療が必要になります。
 

主な原因

中咽頭がんは比較的発症例が少なく、まれながんですが、飲酒や喫煙が原因ではないかとみられています。日本では特に九州、沖縄など度の強い酒を飲む地方での発症が高いです。世界的に見てもフランス、イタリア、東南アジアなど飲酒をたしなむ国に多いです。また、インドでは喫煙も多い国です。男女比率では男性が圧倒的に多いことが特徴です。最近ではヒトパピローマウイルス(女性の子宮頸がんの原因にもなります)も関係があるのではないかと見られています。

主な検査と診断

中咽頭がんが疑われるときは、まずのどから目で見て(視診)病変を確認します。耳鼻科の喉頭ファイバーや、胃カメラでもよりはっきり確認できます。患部の一部を取って顕微鏡で調べ、悪性の細胞が認められたら中咽頭がんと確定します。その後、病気のひろがりや治療方針を決めるために、超音波検査で頸部リンパ節を調べます。頸部リンパ節の異常は触診でもわかることがあります。その後、CT、MRI、PET-CT検査などを用いて病気の範囲や遠隔転移の有無などをしらべ、治療方針を立てます。

主な治療方法

中咽頭がんの治療はごく早期であれば手術による切除が原則ですが、放射線治療も有効です。進行がんの場合は手術または化学放射線治療(化学療法と放射線治療を組み合わせて行う治療)をおこないます。嚥下(飲み込み)や発声機能が損なわれる場合もあるので、その場合はリハビリテーションも重要です。