屈折異常の治療に有効とされるICL手術ですが、すべての人におすすめできるわけではありません。

今回は、ICL手術が向いている人と向いていない人の特徴について、詳しく解説します。ICL手術を検討している人の参考になれば幸いです。

Table of Contents

ICL手術はおすすめできない!やめた方がいい人の3つの特徴

ICL手術が向いていない人の特徴

ICL手術は、その安全性と有効性が認められているものの、すべての人におすすめできるわけではありません。ここでは、ICL手術をやめた方がいい人の3つの特徴を解説します。

①老眼や白内障がはじまりそうな人

ICL手術は、水晶体に手を加えないため、年齢に伴う白内障や老眼の治療には対応していません。加齢による眼の問題には効果がないとされています。

②メガネ・コンタクトレンズを不便に感じていない人

ICL手術は、メガネやコンタクトレンズの手入れが不要となり、視力の安定をもたらすメリットがあります。そのため、メガネやコンタクトレンズを不便に感じていない人にとっては、手術によるリスクを冒す必要はないといえるでしょう。

③ICLの適性がない眼の中のスペースが狭い人

ICL手術では、眼内レンズの挿入にスペースが必要です。そのため、前房が狭い人は、ICL手術の適応外となることがあります。適応判断については、詳細な検査を通じて行われます。

ICL手術に向いている人の3つの特徴

ICLが向いている人、向いていない人の特徴

次に、ICL手術に向いている人の特徴を3つご紹介します。

ICL手術を検討中の方は、自分が向いている人の特徴に当てはまるのかチェックしていきましょう!

①強度の近視や乱視がある人

強度近視や乱視を持つ人の場合、レーシック手術では十分な矯正効果を得られないことがあります。度数や屈折異常の特性によるもので、こうした条件の人々には、他の方法が適応されるのが一般的です。

②老眼が始まっていない45歳ぐらいまでの人

ICL手術は、水晶体を温存したまま行う手術です。屈折異常(近視・遠視・乱視)を矯正できても、水晶体に異常が起きる老眼や白内障の治療はできません。

そのため、水晶体の加齢変化を考慮すると、45歳頃までに行うのが望ましいとされています。45歳頃から老眼を自覚し始めることが多く、早いと50歳を過ぎた頃から白内障の症状が始まるためです。

③メガネ・コンタクトレンズに不便を感じている人

ICL手術は、メガネやコンタクトレンズの手入れが不要となり、裸眼での長期的な視力の安定が期待できる手術です。

そのため、メガネやコンタクトレンズの手入れが面倒だと感じている人、またはレジャーや日常生活でメガネやコンタクトレンズによる不便を感じている人にはおすすめです。

ICL手術が「おすすめしない」といわれる理由5つ

ICL手術おすすめしないと言われる理由

ICL手術は、近視・遠視・乱視の治療法として注目されていますが、一部ではおすすめしないという意見もあります。

ここでは、その理由をデメリットやリスクの面から5つの観点で詳しく解説します。

①ハロー・グレアが起こる可能性がある

ICL手術後には、ハロー・グレアという現象が生じることがあります。これは、夜間や瞳孔が広がった際に顕著な症状で、光がにじんだり眩しく感じたりするリスクがあります。

ハロー・グレアは運転中に起こりやすく、術後の生活に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

②手術後の疾病リスクがある

ICL手術は、他の外科的手術と同様に、術後の合併症やリスクが伴います。感染症や炎症の可能性が含まれ、まれに白内障が起こることがあります。

これらは手術後の疾患として認識されており、感染症は術後2~3日で発症することが多いです。また、内皮細胞の減少もICL手術の特有の合併症として知られています。

③自費診療のため治療費が高額になる

ICL手術は、保険適用外で自由診療となるため、費用が高額になる傾向にあります。手術料金は、レーシックと比較しても高い傾向にあり、一般的な相場も高額です。

④手術に向けた待機期間がある

ICL手術には、手術に向けた待機期間が存在します。具体的には、レンズの準備や体調を整えるための期間で、手術を受けるまでに一定の時間が必要となります。

⑤レンズ交換が必要になるケースがある

ICL手術では眼内にレンズを挿入しますが、まれにサイズや他のトラブルにより、レンズ交換が必要になるケースもあります。個々の眼の状態やレンズの適合性によっても異なるため、手術前の検査と評価が重要です。

デメリットだけではない!ICL手術のメリット5つ

ICL手術のメリット

ICL手術は近視や乱視の矯正手術として知られていますが、デメリットばかりが注目されることもあります。手術のメリットとデメリットを適切に検討し、理解することが重要です。

ここでは、ICL手術のメリットを5つ紹介します。

①裸眼で生活できるようになる

ICL手術の最大のメリットは、裸眼でクリアに見えるようになり、視力回復が可能となることです。メガネやコンタクトレンズが不要になるため、日常の手入れやコンタクトレンズの購入にかかる費用・手間から解放されます。

②視力矯正できる範囲が広い

ICL手術は、-3.00Dから-18.00Dという広範囲の近視に対応しています。これにより、強度近視の人でも治療を受けられます。

ICL手術はレーシックとは異なり、特定の条件下での矯正にも適応するため、幅広い近視の人に対応可能です。

③近視に戻りにくい

ICL手術は、レーシックと違って角膜を削らないため、近視が戻りにくいという特徴があります。長期的に安定した視力を維持できるため、再手術のリスクを減らせます。

④視力回復の実感が早い

ICL手術後の視力回復には個人差がありますが、多くの場合、術後数日~1週間程度で改善を実感できます。早い人では、翌日から視力の回復を感じられるでしょう。

⑤レンズは半永久的に使用できる

ICL手術で挿入されるレンズは、基本的にメンテナンスや交換は不要です。一度の手術で、半永久的に視力矯正の効果を維持できると言われています。

失敗が怖い…ICL手術の安全性は?

ICL手術の安全性

ICL手術は近視や乱視の矯正に効果的ですが、手術に対して不安を抱える人もいるでしょう。手術の安全性と先進的な技術について理解を深めることが、安心感を得るためには重要です。

ICL手術は新しい技術を用いており、多くの症例でその影響と効果が実証されています。詳しくみて行きましょう!

角膜を削らないため眼への負担が少ない

ICL手術は、角膜にレーザーを当てて角膜を削るレーシック手術とは異なり、角膜に負担をかけることなくレンズを挿入する手術です。角膜の形状変化がないため、ドライアイなどの症状がレーシック手術ほど起こりにくい特徴があります。

執刀できるのは認定医資格を持つ医師のみ

ICL手術は、認定医資格を持つ眼科医によってのみ行われます。ICL手術を行える医師は、インストラクターから執刀の訓練を受けた専門的な医師であり、手術に必要とされる高度な技術と知識を有しています。

万が一の場合はレンズを摘出できる

ICL手術の大きな安全性のポイントは、その可逆性にあります。万が一、手術後に問題が生じた場合でも、レンズを摘出して元の状態に戻すことが可能です。

レーシック手術とは異なり、必要に応じてレンズの交換や再調整ができるのもICLの魅力でしょう。

ICL手術で後悔しないための3つのポイント

ICL手術で後悔しないためのポイント

ICL手術を行うにあたって、トラブルが起きた場合の注意点の把握や、万が一の状況に備えた具体的な対策が重要です。これらのポイントを理解し、適切に準備することで、手術後の視力矯正難民になるリスクを最小限に抑えられるでしょう。

ここでは、ICL手術で後悔や失敗を避けるための3つのポイントを紹介します。

①信頼できる医療機関を選ぶ

ICL手術は屈折異常の矯正手術の一つで、眼内に小さなレンズを埋め込むことにより視力を改善します。ICL手術は、専門的な技術を持つ医師にしか執刀できません。

実績豊富なクリニックを選び、インストラクターから訓練を受けた信頼できる医師によるカウンセリングを受けることで、安心して手術を受けられます。また、手術後のアフターケアも非常に重要な要素です。

②ICL手術のリスクとメリット・デメリットを理解しておく

ICL手術には、メリットだけでなくデメリットやリスクも存在します。これらを理解し、自分自身のライフスタイルや価値観に合うかどうかを検討することが重要です。

③医師の指示に従ってアフターケアを徹底する

ICL手術後のアフターケアは、視力を長期的に維持する上で非常に重要です。術後のケアは医師の指示に従い、日常生活での注意点を守りましょう。これにより術後の回復を促進し、合併症を予防できます。

ICLに関するよくある質問

手術にかかる時間はどのくらい?

ICL手術は、両眼で20~30分程度で終わる手術です。経過観察が必要ですが、日帰りでの手術が可能となっています。

手術できない人はいる?

ICL手術は、18歳未満、眼疾患がある、妊娠中や授乳中など、手術の対象外となるケースがあります。

手術後はどれくらいで日常生活に完全復帰できる?

ICL手術後の回復には個人差がありますが、多くの場合、手術後1週間程度で日常生活に戻れます。ただし、視力が完全に安定するまでには、約1ヶ月かかることもあります。

まとめ:メリットだけでなくデメリットやリスクも理解してからICL手術を受けるか判断しよう

ICLを受ける前に知っておくべきデメリットやリスク

ICL手術は、メガネやコンタクトレンズからの解放というメリットがありますが、手術固有のリスクも伴います。また、すべての人に適した治療法ではないという点を理解することが重要です。

ICL手術を受けるか否かの判断をする前に、この記事でデメリットとメリットを十分理解しておきましょう。