毎年、花粉の季節になると、目のかゆみや鼻水といったおなじみの症状だけでなく、なぜか肌の乾燥やかゆみ、赤みがひどくなる、ということはありませんか。いつも通りの保湿ケアをしてもなかなか改善せず、「これはただの乾燥じゃないかもしれない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
その肌荒れは、もしかしたら「花粉症皮膚炎」が原因かもしれません。花粉症皮膚炎は、花粉が肌に付着することで引き起こされる、アレルギー性の皮膚トラブルです。この記事では、花粉が肌荒れを引き起こすメカニズムから、つらい症状を和らげるための具体的な保湿ケア、そして今日から実践できる生活の中での対策までを詳しくご紹介します。この情報を通じて、肌トラブルに悩む日々を少しでも快適に乗り切るためのヒントを見つけて、自信を持って花粉シーズンを過ごしていただけたら幸いです。
その肌荒れ、花粉が原因?「花粉症皮膚炎」かもしれません
毎年花粉の季節になると、目のかゆみや鼻水といった症状だけでなく、肌がカサついたり、かゆみや赤みが出たりして悩んでいませんか。これまで「季節の変わり目の乾燥肌」や「敏感肌だから仕方ない」と諦めていた肌荒れは、実は「花粉症皮膚炎」という特定の肌トラブルかもしれません。花粉症皮膚炎とは、花粉が肌に触れることでアレルギー反応が起こり、炎症やかゆみ、赤みなどが生じる状態を指します。
特に顔の目や口の周り、首元など、花粉に触れやすい露出部分に症状が集中するのが特徴です。通常の保湿ケアをいくら頑張っても改善しない肌荒れに、心当たりのある方は少なくないでしょう。近年、日本人の花粉症の有病率は増加の一途をたどっており、約2.5人に1人が花粉症を抱えているというデータもあります。これは決して珍しい悩みではなく、多くの方が肌の不調を感じている可能性を示唆しています。
花粉症皮膚炎の主な症状とは?
花粉症皮膚炎の症状は、単なる乾燥肌とは異なる特徴が見られます。具体的には、「ピリピリとした刺激感」や「むずがゆいような強いかゆみ」、そして「赤み」が広範囲に現れることがあります。さらに、触るとザラザラとした「細かいブツブツ(丘疹)」ができることもあります。これらの症状は、特に花粉が付着しやすい目の周り、頬、口元、首筋などに現れやすい傾向があります。
また、一般的な花粉症の症状であるくしゃみや鼻水、目のかゆみがほとんどないにもかかわらず、肌だけが強く反応するケースも存在します。そのため、「鼻炎はないから花粉症ではない」と思い込んでしまい、肌荒れの原因が花粉だと気づきにくいこともあります。保湿をしてもカサつきや粉ふきが改善しない、普段使っている化粧品が急にしみるようになった、といった場合は花粉症皮膚炎の可能性を疑ってみる必要があるでしょう。
ただの乾燥肌との見分け方チェックリスト
ご自身の肌荒れが花粉症皮膚炎によるものかどうかを判断するためのチェックリストです。当てはまる項目が多いほど、花粉症皮膚炎の可能性が高いと考えられます。
- 花粉が飛散する季節(春や秋)にだけ肌荒れが悪化する
- 目や口の周り、首など、露出している部分の症状が特にひどい
- 普段使っているスキンケアが急にしみるようになった
- 強いかゆみや赤みを伴う
- 保湿をしてもカサつきや粉ふきが改善しない
- アトピー性皮膚炎の素因がある
なぜ花粉で肌が荒れるの?花粉症皮膚炎のメカニズム
花粉の季節になると肌の不調を感じる方は多いですが、その肌荒れは単なる乾燥ではなく、「花粉症皮膚炎」が原因かもしれません。花粉症皮膚炎は、外部からの刺激である花粉と、肌自身の防御機能であるバリア機能の低下が重なり合うことで引き起こされます。
このセクションでは、なぜ花粉によって肌荒れが起こるのか、その根本的なメカニズムを詳しく解説します。原因を理解することで、なぜ適切なケアが必要なのか、そしてどのような対策が効果的なのかを納得し、つらい季節を乗り切るための第一歩となるでしょう。
原因1:花粉に対するアレルギー反応
花粉症皮膚炎が引き起こされるメカニズムの一つとして、花粉に対するアレルギー反応が挙げられます。肌に付着した花粉を、私たちの体が「異物(アレルゲン)」と認識すると、それを体外に排出しようと免疫機能が働き始めます。この免疫反応が皮膚で起こると、炎症やかゆみといった肌の症状として現れるのです。
たとえば、鼻の粘膜で同じアレルギー反応が起きれば、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状が出ますし、目の粘膜であれば目のかゆみや充血といった症状になります。このように、アレルゲンに触れる部位によって症状の現れ方は異なりますが、根底にあるのは花粉に対する体の過剰な免疫反応なのです。
原因2:乾燥や摩擦による「肌のバリア機能」の低下
花粉症皮膚炎のもう一つの大きな原因は、肌のバリア機能の低下です。私たちの肌の一番外側にある角質層は、レンガのように何層にも積み重なって構成されており、水分を保持し、外部刺激から肌を守る「バリア機能」という大切な役割を担っています。
しかし、花粉の飛散時期は空気が乾燥していることが多く、肌の水分が奪われやすくなります。
また、花粉対策でマスクを着用する際の摩擦や、マスク内の環境変化、さらに鼻をかむ回数が増えることによる過度な刺激は、肌のバリア機能を低下させる要因となります。
バリア機能が弱まった肌は、普段なら問題にならないような微量の花粉でも容易に内部に侵入させてしまい、アレルギー反応を誘発しやすい状態になってしまうのです。この悪循環が、花粉症皮膚炎の症状を長引かせたり、悪化させたりする要因となります。
花粉症皮膚炎に立ち向かう!基本の保湿ケア戦略
花粉症による肌荒れに悩む多くの方が、つらい季節を快適に乗り切るための効果的な対策を求めていることでしょう。ここからは、単なる乾燥肌ケアとは一線を画す、花粉症皮膚炎に特化した「攻めと守りの保湿ケア戦略」をご紹介します。基本となるのは、「①刺激を与えずに優しく洗い、②必要な潤いを肌の奥まで届け、③花粉などの外部刺激から肌をしっかり守る」という3つのステップです。
この戦略は、肌のバリア機能が低下し敏感になっている花粉シーズンにおいて、肌への負担を最小限に抑えつつ、最大限の効果を引き出すことを目指します。次のセクションでは、それぞれのステップについて、具体的な方法と実践のポイントを詳しく解説していきます。正しい知識とケアで、花粉に負けない健やかな肌を取り戻しましょう。
花粉症皮膚炎対策の第一歩は、肌に付着した花粉や汚れを優しく取り除くことです。しかし、肌が敏感になっている時期は、洗いすぎが逆効果になることもあります。洗顔の目的は、肌に不要なものだけを取り除き、肌本来のバリア機能を損なわないようにすることです。
洗顔料は、「低刺激性」や「敏感肌用」と表記されたものを選び、手のひらでしっかりと泡立ててから使いましょう。泡立てネットなどを活用すると、きめ細かな泡が簡単に作れます。泡で肌を包み込むようにして、指が直接肌に触れないように優しく洗うのがポイントです。
熱すぎるお湯は肌に必要な皮脂まで洗い流してしまうため、洗顔に適しているとされる30〜36度、特に32〜34度程度のぬるま湯で、時間をかけずに丁寧にすすぎましょう。
洗顔後は、清潔なタオルでゴシゴシこすらず、水分を吸い取るように優しく押さえるように拭き取りましょう。
洗顔後の肌は、水分が蒸発しやすい非常にデリケートな状態です。この「潤す」ステップでは、洗顔後すぐに、失われた水分を補い、肌の奥まで潤いを届けることが重要になります。特に、花粉によってバリア機能が低下した肌は、通常よりも多くの水分とそれを保持する成分を求めています。
保湿成分として注目したいのは、肌のバリア機能を構成する重要な要素である「セラミド」や、高い保水力を持つ「ヒアルロン酸」、そして肌の天然保湿因子(NMF)の主成分である「アミノ酸」などです。これらの成分が配合された化粧水や美容液を、手のひらで温めてから優しく肌になじませましょう。一度にたくさんつけるのではなく、少量ずつ重ねてつける「レイヤリング」もおすすめです。これにより、肌の角質層が水分で満たされ、ふっくらとした状態に整えられます。
保湿ケアの最後の仕上げは、「守る」ステップです。これは、肌の表面に「擬似的なバリア」、つまり保護膜を形成することで、潤いを閉じ込めるだけでなく、花粉やほこりといった外部刺激が直接肌に付着するのを防ぐという、非常に重要な役割を担います。この保護膜が、肌の弱い部分を物理的にガードしてくれるのです。
油分を豊富に含むクリームやバーム、ワセリンなどをスキンケアの最後に使いましょう。特に、花粉が付着しやすく、乾燥や刺激を感じやすい目元や口元には、ワセリンを薄く塗るのがおすすめです。
ワセリンの中でも精製度の高い白色ワセリンやソフトタイプワセリンは、不純物が少なく肌への刺激が少ないため、敏感な肌でも比較的安心して使えます。ただし、すべての方に合うわけではないため、使用前にパッチテストを行うことをおすすめします。
ただし、厚塗りすると肌に油膜を形成して毛穴を塞ぎ、べたつきやニキビの原因となることもあるため、薄く均一に塗ることを心がけましょう。この保護膜は、日中の花粉からのガードだけでなく、夜間の睡眠中に肌の乾燥を防ぐ効果も期待できます。
スキンケア製品選びの3つのポイント
花粉シーズンは、普段使いのスキンケア製品が合わなくなるほど肌が敏感になりがちです。ここでは、そんな時期でも安心して使える製品を選ぶための3つのポイントをご紹介します。肌の調子を整え、刺激から守るために、ぜひ参考にしてください。
一つ目は、「低刺激」「敏感肌用」「アレルギーテスト済み」といった表記がある製品を選ぶことです。これらの表示は、肌への刺激を考慮して作られている証拠であり、パッチテストなどが行われていることが多いため、安心して使いやすいでしょう。二つ目は、肌のバリア機能をサポートする成分が配合されているかを確認することです。
特に「セラミド」は肌の角質層に存在し、水分を保持してバリア機能を高めることで乾燥や外部刺激から肌を守り、「ヘパリン類似物質」は高い保湿効果に加え、血行促進作用と抗炎症作用により、肌のバリア機能をサポートする効果が期待できます。
そして三つ目は、アルコール、香料、着色料など、肌への刺激になりやすい成分が含まれていない、シンプルな処方のものを選ぶことです。これらの成分は、敏感になっている肌には負担となる可能性があるため、できるだけ避けるのが賢明です。製品の全成分表示を確認し、余計なものが含まれていないかチェックするようにしましょう。
悪化を招くかも?花粉シーズンのNGスキンケア
花粉シーズンに肌荒れが気になると、「もっとしっかりケアしなくては」と考えてしまいがちですが、実は良かれと思って行っているスキンケアが、かえって肌に負担をかけ、症状を悪化させてしまうことがあります。ここでは、花粉が飛散している時期に避けるべきNGスキンケアについて解説します。
まず、スクラブ洗顔やピーリングといった角質ケア製品は、肌の古い角質を取り除く効果がありますが、敏感になっている肌にとっては刺激が強すぎ、バリア機能をさらに低下させてしまう可能性があるため、使用には注意が必要です。しかし、敏感肌向けに開発された低刺激の製品や、マイルドな成分を使用したものであれば、肌への負担を抑えながら角質ケアを行うことも可能です。製品を選ぶ際は成分をよく確認し、肌の状態に合わせて使用頻度を調整しましょう。また、角質ケア後は肌が乾燥しやすくなるため、保湿を徹底することも大切です。
また、新しい化粧品を試すのもこの時期は避けるのが賢明です。肌が敏感な状態で新しい成分を取り入れると、予期せぬトラブルにつながることがあります。使用経験のある低刺激性のものを選ぶのが安全です。
シートマスクの長時間使用も要注意です。長時間肌に密着させることで、かえって肌が乾燥しやすくなったり、刺激となる成分が肌に長く留まってしまうことがあります。記載されている使用時間を守り、肌の様子を見ながら短時間で済ませるようにしましょう。さらに、高濃度のビタミンC誘導体やレチノールなど、攻めのスキンケア成分も、この時期は刺激となりやすいため、一時的に使用を中止するか、よりマイルドな製品に切り替えることをおすすめします。肌が落ち着いてから、改めて取り入れるようにしましょう。
保湿ケアだけじゃない!今日からできる花粉皮膚炎対策
花粉症皮膚炎は、スキンケアによる「守りのケア」はもちろん大切ですが、それだけでは十分ではありません。日常生活全体で花粉から肌を守るための「攻めの対策」も取り入れることで、より効果的に肌荒れを防ぎ、つらい季節を快適に過ごすことができます。
このセクションでは、外出時、室内、そして体の内側からのケアという3つの側面から、花粉シーズンを乗り切るための総合的な対策をご紹介します。これらの対策は、花粉による肌荒れだけでなく、体全体の不調を軽減し、日々の生活の質を高めることにもつながります。
外出時の対策:花粉を「つけない」「持ち込まない」
外出時に花粉を肌に直接付着させない、そして自宅に花粉を持ち込まない工夫は、花粉症皮膚炎対策の基本中の基本です。まず、外出時には物理的に花粉をブロックするアイテムを活用しましょう。マスクは鼻や口だけでなく、肌への花粉の付着も防ぎます。メガネやサングラスは目元を守り、つばの広い帽子をかぶることで顔全体への花粉の付着を減らすことができます。さらに、上着は、ウールのように表面に凹凸が多く、静電気も発生しやすいため花粉が付着しやすい素材を避け、表面がツルツルとした、例えばナイロンやポリエステルなどの素材を選ぶと良いでしょう。
帰宅時の対策も非常に重要です。玄関に入る前に、衣服や髪の毛についた花粉を優しく払い落とす習慣をつけましょう。室内に花粉を持ち込まないように、すぐに着替えて、洗顔やうがいをして体についた花粉を洗い流すことも効果的です。これにより、寝ている間に花粉を吸い込んだり、寝具に花粉が付着したりするのを防ぐことができます。
室内の環境対策:加湿と空気清浄で快適な空間を
肌のバリア機能を維持するためには、室内の環境を整えることが不可欠です。花粉の飛散時期は空気が乾燥しがちなので、加湿器を活用して室内の湿度を40〜60%に保つように心がけましょう。適切な湿度は肌の乾燥を防ぐだけでなく、空気中の花粉が床に落ちやすくなり、吸い込む量を減らす効果も期待できます。
また、室内に浮遊する花粉を除去するためには、空気清浄機の活用が非常に有効です。特に花粉モードが搭載されているものや、HEPAフィルターを搭載した高性能な空気清浄機を選ぶと良いでしょう。こまめな掃除も忘れずに行い、花粉の除去に努めてください。花粉の飛散量が多い日は、窓を開けての換気を避け、洗濯物は部屋干しにするなどの工夫で、室内への花粉の侵入を最小限に抑えることができます。
インナーケア:食事と生活習慣で内側から肌を整える
体の内側から肌の健康をサポートすることも、花粉症皮膚炎対策として非常に重要です。肌のターンオーバーを整え、バリア機能を強化するためには、バランスの取れた食事が欠かせません。
肌の生成に不可欠なタンパク質はもちろんのこと、皮膚や粘膜を健康に保ち、目の健康維持や抵抗力向上にも寄与するビタミンA、肌のハリや弾力を保ちメラニン生成を抑え色素沈着を緩和するビタミンC、血行促進や抗酸化作用を持つビタミンE、糖質、脂質、タンパク質の代謝を助け皮膚や粘膜、神経の健康維持にも関わるビタミンB群などを積極的に摂りましょう。
さらに、腸内環境は肌の状態と密接に関わっています。乳酸菌やビフィズス菌を含む発酵食品(ヨーグルト、納豆など)や、食物繊維を豊富に含む食品を意識的に取り入れ、腸内環境を整えることもおすすめです。また、十分な睡眠時間の確保やストレスを溜め込まないことも、免疫機能や肌のバリア機能に大きく影響します。規則正しい生活習慣を心がけ、内側から肌のコンディションを整えることで、花粉シーズンを健やかに乗り切りましょう。
意外な落とし穴?寒暖差による「ヒートショック」と肌荒れの関係
花粉が飛散する春先は、日中と朝晩の寒暖差が大きい季節でもあります。この急激な温度変化は、鼻や目の症状だけでなく、私たちの肌にも大きな影響を与えることがあります。単に花粉が原因の肌荒れだと思っていても、実は「寒暖差疲労」や「ヒートショック」と呼ばれる現象が、肌のバリア機能を低下させ、さらなる肌荒れを引き起こしている可能性があるのです。
ヒートショックは、通常、急激な温度変化が心臓や血管に負担をかけることを指しますが、肌においても同様に、自律神経の乱れや血行不良を通じてバリア機能の低下を招きます。花粉対策をしっかりしていても肌の調子が良くならないと感じる場合は、この寒暖差も肌荒れの隠れた原因として意識してみると良いでしょう。花粉だけでなく、寒暖差というもう一つの要因を知ることで、より多角的なアプローチで肌を守る対策を考えることができます。
寒暖差が肌のバリア機能を低下させる理由
寒暖差が肌のバリア機能を低下させるメカニズムは、主に自律神経の乱れと血行不良に起因します。私たちの体は、急激な温度変化に対応しようと、自律神経が過剰に働くことで、血管の収縮と拡張を頻繁に繰り返します。この働きが続くと、肌の表面の血行が悪化しやすくなります。血行が悪くなると、肌細胞に十分な栄養や酸素が行き届かなくなり、肌の新陳代謝であるターンオーバーが乱れてしまいます。
ターンオーバーが乱れた肌は、未熟な角質細胞が表面に現れやすくなり、水分を保持する力が低下したり、外部刺激から肌を守るバリア機能が弱まります。また、寒暖差によるストレスは、皮脂の分泌バランスを崩すこともあり、乾燥が進行したり、肌のキメが粗くなったりする原因にもなります。バリア機能が低下した肌は、花粉などのアレルゲンや、乾燥した空気といった外部刺激をより受けやすくなり、その結果、肌荒れが悪化しやすくなるという悪循環に陥るのです。
寒暖差に負けないための対策(服装・入浴法)
寒暖差から肌を守り、快適に過ごすためには、日常生活でいくつかの工夫を取り入れることが大切です。まず服装については、着脱しやすいカーディガンやストールなどを活用した「レイヤードスタイル(重ね着)」をおすすめします。これにより、屋内外の温度差や時間帯に応じた気温の変化に柔軟に対応し、体を冷やしたり、逆に汗をかきすぎたりするのを防ぐことができます。特に首元を温めることは、体全体を温める効果があり、自律神経の安定にもつながります。
入浴法にも注意が必要です。熱すぎるお湯は肌の乾燥を招きやすく、また、急激な体温変化は体に負担をかけます。そのため、38〜40度程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、体を芯から温め、リラックス効果を高めましょう。入浴後は、肌の水分が失われやすいため、すぐに保湿ケアを行うことが重要です。化粧水でしっかりと水分を与え、乳液やクリームで蓋をすることで、肌の乾燥を防ぎ、バリア機能の維持に役立ちます。
セルフケアで改善しない…そんな時は専門医に相談を
花粉症皮膚炎による肌荒れに悩んでいらっしゃる皆さんは、この記事でご紹介したさまざまな保湿ケアや生活習慣の改善策を試されていることと思います。しかし、ご自身でできる対策を続けても、かゆみや赤みがなかなか引かない、症状がむしろ悪化している、日常生活に支障が出るほどつらい、といった場合には、迷わず専門医に相談することが大切です。
自己判断で市販薬を使い続けることは、時に症状を悪化させたり、適切な治療の開始を遅らせたりするリスクがあります。特に、市販のステロイド剤などを漫然と使用し続けることは、肌への負担を増大させる可能性も否めません。専門医を受診することで、肌の状態や症状の強さに合わせた正確な診断と、より効果的な治療法を提案してもらうことができます。つらい花粉シーズンを快適に乗り切るためにも、適切なタイミングで専門家の力を借りましょう。
何科を受診すべき?皮膚科とアレルギー科
いざ病院に行こうと思っても、「何科を受診すれば良いのだろう」と迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。花粉症皮膚炎で肌の症状がメインの場合は、まずは「皮膚科」を受診するのが適切です。皮膚の専門家である皮膚科医が、肌の状態を詳細に診察し、適切な塗り薬や飲み薬を処方してくれます。
一方で、くしゃみや鼻水、目のかゆみといった鼻や目のアレルギー症状も強く現れている場合は、「アレルギー科」や「耳鼻咽喉科」も選択肢になります。アレルギー科ではアレルギー疾患全般に対応しており、耳鼻咽喉科では鼻の症状を中心に診てくれます。どちらを受診すべきか迷う場合は、まずは肌の症状を直接診てもらうために皮膚科を受診し、必要に応じて他の科への紹介を相談してみるのがスムーズでしょう。
皮膚科で受けられる治療法(塗り薬・飲み薬)
皮膚科を受診すると、医師が肌の状態を診察し、症状の重さに応じた治療薬が処方されます。花粉症皮膚炎の治療の中心となるのは、皮膚の炎症を抑える「ステロイド外用薬(塗り薬)」と、かゆみを和らげる「抗ヒスタミン薬(飲み薬)」です。
ステロイド外用薬は、炎症を速やかに鎮め、赤みやかゆみを改善する効果が高い薬剤です。医師が症状に合わせて強さや使用期間を調整するため、指示通りに使うことが非常に重要です。自己判断で塗るのをやめたり、使用量を減らしたりすると、症状が再燃することもありますので注意しましょう。抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応によって放出されるヒスタミンの働きを抑え、かゆみを軽減します。眠気を伴うものもありますが、最近では眠くなりにくいタイプの薬も増えており、医師に相談すればご自身のライフスタイルに合わせた薬を処方してもらえる可能性があります。市販薬で様子を見るよりも、専門医に相談することで、より安全で効果的な治療を受けることができます。
まとめ:正しい保湿ケアで花粉の季節を快適に乗り切ろう
花粉の季節に肌荒れがひどくなるのは、ただの乾燥ではなく「花粉症皮膚炎」の可能性があることをお伝えしてきました。このつらい肌荒れから解放されるための鍵は、「刺激を与えない優しい洗浄」「肌の奥までしっかり潤す徹底した保湿」「花粉などの外部刺激から肌を守るバリア機能の構築」という、これら3つのステップを毎日のスキンケアに組み込むことです。
そして、快適な花粉シーズンを送るためには、スキンケアだけでは不十分です。花粉を肌に「つけない」「持ち込まない」外出時の対策、加湿器や空気清浄機を活用した室内環境の整備、さらに体の内側から肌を整える食生活や生活習慣の見直しも非常に重要となります。さらに、花粉シーズンと重なる春先の寒暖差が、肌のバリア機能を低下させる隠れた要因となることも理解し、服装や入浴法でも対策を講じることで、より総合的に肌を守ることができます。
もし、今回ご紹介したセルフケアを試しても症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、無理をせずに皮膚科などの専門医に相談してください。適切な診断と治療を受けることで、肌トラブルの悪化を防ぎ、より早く快適な状態を取り戻すことができます。正しい知識と適切なケアで、今年の花粉シーズンを自信を持って快適に乗り切りましょう。
花粉皮膚炎(花粉症皮膚炎)に関するよくある質問(FAQ)
花粉が皮膚に接触することで起こる炎症です。主に目の周り、頬、首など、露出している部分に赤み、痒み、乾燥、ヒリヒリ感が生じるのが特徴です。花粉症の鼻水や目のかゆみがない人でも、皮膚症状だけが現れることがあります。
最大の原因は「肌のバリア機能の低下」です。空気が乾燥する冬から春にかけて肌の水分保持能力が落ちると、角層に隙間ができ、そこから花粉(アレルゲン)が侵入しやすくなるため、免疫反応として炎症が起こります。
洗顔後や入浴後、すぐに保湿剤を塗ることが重要です。セラミドやヒアルロン酸など、バリア機能をサポートする成分配合のアイテムを選びましょう。また、外出前にはワセリンなどを薄く塗ることで、肌の表面に膜を作り、花粉が直接肌に触れるのを物理的に防ぐ「プロテクト」も効果的です。
帰宅後すぐに洗顔し、肌に付着した花粉を落とすことが大切です。ただし、ゴシゴシ擦るとバリア機能をさらに傷つけるため、たっぷりの泡で優しく洗ってください。また、メイクをすることで花粉が直接肌に触れるのを防ぐ効果もありますが、低刺激性のものを選ぶようにしましょう。
痒みや赤みが強い場合、炎症を抑えるステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の内服が必要なことがあります。自己判断でケアを続けると悪化する恐れがあるため、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
