ICL手術は、眼内に小さなレンズを挿入し、近視・遠視・乱視を矯正する手術です。しかし、すべての人に適した方法ではありません。

この記事では、ICL手術の流れと費用やリスク、手術をおすすめできない人について詳しく解説します。ICL手術を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

ICL手術前に実施する3つのこと

ICL手術前に実施する3つのこと

ICL手術を行う際には、準備段階で患者さんが知っておくべき重要なポイントがあります。ここでは、ICL手術の流れに沿って、まず術前に実施する3つのことを解説します。

①適応検査

ICL手術を受けるためには、まず専門医による適応検査が必要です。検査では、患者さんの視力や屈折状態を詳細に調べ、ICLが適用可能かどうかを判断します。この段階で、眼の健康状態と手術の適応性を慎重に評価することが不可欠です。

②手術前検査

適応検査が完了したら、医師は手術前検査を進めていきます。この段階では、治療に必要なレンズのサイズや度数を決定するための診断が行われます。

患者さんの眼の状態を分析し、手術の成功に向けて最適な計画を立てるため、これらの検査は極めて重要です。医師は検査結果に基づいて、患者さんに治療の過程を説明します。

③手術日程の決定

適応検査と手術前検査が終わったら、必要なレンズの種類とサイズを確定し、手術日を予約します。患者さんはスケジュールと手術の要件に合わせて、日程の調整を行います。

ICL手術の流れ

ICL手術の流れ

手術自体は20分ほどで終了するため、基本的には日帰りです。術後は1〜2時間の休息を取った後、診察を受けてから帰宅します。

ここでは、ICL手術当日の流れについて詳しく解説します。

①麻酔

点眼薬による麻酔は、手術中の痛みを軽減するために重要です。この麻酔を行うと、瞳孔の感覚を鈍らせ、手術中に痛みをほとんど感じなくなります。

②眼内コンタクトレンズの挿入

麻酔後、角膜に眼内レンズを挿入するために切開し、レンズを挿入します。手術の時間としては、20分程度と非常に短いです。

③眼内コンタクトレンズの位置調整

レンズの挿入が完了したら、虹彩と水晶体の間でレンズの位置を調整します。この調整は、レンズを最適な位置に安定させるために不可欠です。

ICL手術後に実施すること

ICL手術後の過ごし方とケア

ICL手術を受けた後は、適切な術後処置と定期健診が必要となります。手術直後の数時間は安静に過ごし、目を疲れさせないようにすることが大切です。

①術後処置

眼圧が正常に戻るまで、術後数時間は安静に過ごします。眼科医が診察し、回復の程度と眼圧をチェックします。診察の際には、痛みや異変の有無について報告することも大切です。

②定期健診

ICL手術後の定期健診は、手術翌日、3〜4日後、1週間後です。手術翌日は検査のために来院し、眼の状態を確認する診療を受けます。3〜4日後にも再診察が行われ、眼圧や回復の程度を診断します。

ICL手術の費用相場は40~80万円程度

ICL手術の費用相場は40~80万円程度

ICL手術費用相場は、両眼で40~80万円程度です。この価格は健康保険の適用がなく自由診療であるため、クリニックによって異なります。したがって、具体的な費用を知るには、事前に各施設に確認することが重要です。

確定申告によって医療費控除の対象になる

ICL手術の費用は、確定申告を通じて医療費控除の対象になる可能性があります。この制度は、高額医療費に対して税金の還付を受けることを可能にします。年末調整の際にも、この点を考慮することが重要です。

加入中の生命保険によっては保険金を受け取れる

生命保険に加入している場合、ICL手術の費用に対して手術給付金の受け取りが可能なケースがあります。医療保険の条件に基づいて、一部または全額がカバーされることがあります。

手術前には自身の保険契約を確認し、どの程度の給付が適用されるのかを理解しておくことが重要です。

ICL手術をおすすめできない人の2つの特徴

ICL手術をおすすめできない人の2つの特徴

ICL手術は、すべての人に向いているわけではないため、手術を検討する際には注意が必要です。特に以下の2つの特徴を持つ人は、ICL手術を受けることが難しいとされています。

①老眼や白内障がはじまりそうな人

ICL手術は近視・遠視・乱視の矯正に効果的ですが、老眼の治療には向いていません。また、年齢によっては、白内障のリスクも考慮する必要があります。

②メガネ・コンタクトレンズに不便を感じていない人

ICL手術は、視力矯正のための手術であり、それなりの費用とリスクを伴います。そのため、メガネやコンタクトレンズの使用に不便を感じていない人にはおすすめできません。

ICL手術は怖い?知っておきたい3つのリスク

ICL手術のリスク

手術と聞くと、不安に感じたり怖いと思ったりすることもあるでしょう。ここでは、ICL手術における3つのリスクやデメリットについて詳しく解説します。

①ハロー・グレアの可能性

術後には、ハロー・グレアを引き起こす可能性があります。ハロー・グレアとは、特に夜間や暗い場所で光源を見たときに、光が滲んだり眩しく感じたりする症状です。

この現象は、瞳孔が広がることによって発生する可能性があり、ICL手術を受けた人に特有の症状として知られています。

②手術後の疾病リスク

ICL手術は内眼手術の一種です。ICLで白内障になることは基本的にないとされていますが、術後に感染症などの合併症を起こすリスクがあります。

手術を受ける際にはどのようなリスクがあるのかを理解し、適切な予防と対策を行うことが重要です。

③レンズ交換の可能性

ICL手術は視力回復を実現する治療法ですが、希望通りの結果が得られないときには、レンズの挿入や交換、さらにはレーシックによる追加矯正を行う可能性があります。

これらは患者さんの視力状態や要望に応じて選択され、適切に視力改善を目指すための手段となります。

ICL手術を受ける際は信頼できる医療機関を選ぶことが大切

ICL手術は信頼できるクリニックへ

ICL手術を受ける際に最も重要なことは、信頼できる医療機関で専門的な医師による手術を受けることです。眼は一生の宝物であり、その治療を任せる医療機関の選択は、ICL手術の満足度や安心感に大きく影響します。

ICL手術に関するよくある質問

痛みはある?

ICL手術は麻酔が使用されるため、手術中の痛みはほとんどありません。点眼麻酔に加え、ほかの麻酔を併用できるケースもあります。ただし、手術後に一時的な不快感や軽い痛みを感じることはあるでしょう。

手術後の仕事への影響は?

ICL手術後のデスクワークや運転は、早ければ手術翌日から可能とされています。翌日の検診で医師と相談しましょう。

手術前の注意点は?

ICL手術の前には、まず適応検査を受けます。検査日までに、コンタクトレンズの使用制限がかかることがあります。

まとめ:ICLの基本を知ってから納得したうえで手術に臨もう

ICL手術を受ける前に確認すべきポイント

ICL手術は、近視・遠視・乱視の治療法として高い効果がありますが、手術を受ける前にはしっかりとその内容を理解し、信頼できる医療機関を選ぶことが大切です。また、手術には一定のリスクが伴うため、その点も理解した上で手術を受けることが重要となります。

ICL手術についての情報をしっかりと理解して、納得した上で手術に臨みましょう。