リップアートメイクは、口紅を塗る手間が省けるうえ、飲食のたびに気にすることなく口元を美しく保てる魅力的な方法です。しかし一度施術を受けると、簡単には形や色を変更できないというデメリットもあります。

この記事では、リップアートメイクの色選びや持ち、ダウンタイムについて解説します。人気のデザインやダウンタイムの経過や注意点も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

リップアートメイクは唇に色を入れる施術

リップアートメイクとは

リップアートメイクは、唇のごく浅い層に色素を入れることで、常にリップをしているような仕上がりを実現する施術です。従来の口紅とは違い、飲食や擦れなどで落ちないことが大きなメリットとなります。

リップアートメイクの色選び・決め方

リップアートメイクの色選びのポイント

リップアートメイクをするうえで、色選びはとても重要です。一度色が入ってしまうと取り除くのが難しいため、慎重に選ぶ必要があります。まずは、自分の肌のタイプやイメージに合った色を選びましょう。

また、どこに色を入れるかも考えなければなりません。唇全体に入れるフルリップ、唇の輪郭のみに入れるリップラインなど、デザインも慎重に検討しましょう。

普段から使用しているリップの色を選ぶ

色を選ぶ際は、普段から使い慣れたリップカラーをベースにすることをおすすめします。自分に合っていると実感している色だと、アートメイク後も違和感が少ないでしょう。

オレンジやコーラルピンク、レッドなど明るい色をよく使う人は、そうした色合いの中から選ぶことが大切です。自分の持ち味を生かしつつ、より鮮やかに美しく仕上がる色を探すイメージです。

逆にくすんだ色やダーク系統が似合うと感じる人は、そちらの色をベースに選ぶのがベストです。日ごろから合っていると実感できる色を活かしましょう。

顔全体の印象とバランスが取れたリップの色を選ぶ

アートメイクのリップカラーは、自分の肌や髪の色、瞳の色と合っていることが大切です。全体の色合いのバランスが崩れると違和感が出ます。色白でブルべや青みピンク、血色の良い口紅が似合う人は、オレンジよりもピンク系を選びましょう。

逆に日焼けしたイエベの人は、オレンジやコーラルピンクの明るい色合いが、肌や瞳の色との調和が取れて綺麗に見えるでしょう。顔全体の印象と上手く合わせるのが大切なポイントです。

リップアートメイクで人気のデザイン2パターン

リップアートメイクで人気のデザイン

リップアートメイクには、自然な仕上がりのフルリップと、はっきりした印象のリップラインの2つの人気パターンがあります。それぞれ詳しく紹介します。

自然な仕上がりになるフルリップ

フルリップは、唇全体に色を入れるデザインです。リップの形を整えたり大きく見せたりすることなく、自然な仕上がりになります。口紅をしているようなナチュラルな仕上がりなので、普段のメイクをしているときの印象は変わりません。

はっきりした印象に仕上がるリップライン

リップラインは、唇の輪郭にそって色を入れるデザインです。唇のラインがはっきりする効果があり、唇の形がきちんと美しく描かれた印象になります。

一方で、ノーメイクのときには唇の輪郭だけが目立ってしまいます。自然に見せるには、メイクが必要になるでしょう。

リップアートメイクの持ちは約2年だが個人差あり!

リップアートメイクはどれくらい持つ?

リップアートメイクの色持ちは平均して約2年ですが、個人差が大きいという特徴があります。唇は体の中でも新陳代謝(ターンオーバー)が速く、色素が抜けやすい部位です。そのため、ケア次第で色素の定着度が大きく左右されます。

色が1年程度で抜けて再施術が必要な人もいれば、5年以上あまり変化がなく長持ちする人もいます。唇のターンオーバーの個人差が、結果的に色持ちの違いを生んでいるといえます。

「アートメイク」は「パーマネントメイク」ともいわれ、1 度皮膚に色素を入れるとそのカラーは数年間持続する。

金田綾, et al. メイクアップサービスの需要を基盤とするメイクアップ教育–美容室と消費者によるメイクアップサービスへの考え方の相違から. 研究紀要, 2010, 5: 83-94

唇は色の抜けやすい部位

唇は体の中でも繊細な部分であるため、色素が抜けやすい性質があります。加齢や生理的要因、環境的要因などによって、入れた色素が2年以内に半分以下になる人も少なくありません。

リップアートメイクは、唇の薄い表皮部分に針で色素を浅く入れます。そのため、他の部位と比べると持ちが悪い傾向にあります。

ダウンタイム中のケアで色持ちが良くなる!

ダウンタイム中の唇の手入れ次第で、色持ちに大きな違いが出ます。保湿ケアを徹底して乾燥やひび割れを防ぐことが、可能な限り長く色を保つコツです。ワセリンなどでしっかりと保護することをおすすめします。

持ちをよくするには、ダウンタイム中のアフターケアが大切です。保湿ケア不足で唇が乾燥すると、早い段階での色落ちに繋がります。加えて紫外線や唇を刺激する行為も、色素の酸化を促進します。

保湿と刺激の防止が持ちアップに直結することを意識しましょう。

リップアートメイクダウンタイム!1週間の経過を紹介

リップアートメイクダウンタイムは約1週間

リップアートメイクのダウンタイムとは、施術後の傷が完治するまでの期間です。平均的に1週間程度のダウンタイムがあります。ダウンタイム中の経過は個人差がありますが、多くの人は施術後2日目頃から徐々に痛みや腫れが引き始めるでしょう。

1週間を過ぎる頃にはほぼ症状がなくなり、入れた色素の仕上がり具合が確認できるようになってきます。2回目の施術では最初のダウンタイムより苦痛は少なく、色素もより早期に濃く定着する傾向があります。

ダウンタイムは施術の傷が完治するまでの約1週間

リップアートメイクのダウンタイムは、唇の微小な傷が回復する期間です。施術後しばらくの間は唇に痛みや腫れが生じ、古い皮がむけるような経過をたどります。

これは色素を入れた部分の刺激に反応した症状で、個人差はありますが1週間程度で落ち着いてくるでしょう。新しく染められたリップの色や形も、ダウンタイムが明けてから本来の仕上がり具合が確認できるようになります。

施術直後~数時間:ヒリヒリした痛みがある

施術直後から数時間程度は、唇にヒリヒリとした痛みを感じることがあります。注射針による痛みと、色素剤自体の刺激によるものです。

色素を入れた部分が赤く腫れ上がり、濃い色合いに見えることがあります。その場合、痛みも強く感じる傾向にあります。施術直後の数時間が最もダウンタイムの症状が強く出る時期です。

施術後2日~5日目:痛みや腫れが引き始め、皮がむけてくる

施術後2日目から5日目にかけて、唇の痛みや腫れが徐々に引き始めます。同時に古い皮がむけてくる人が多いです。

施術部分の表皮が刺激されるため、傷んだ皮がかさぶたのようにむけていきます。5日目頃からは新しい肌に置き換わり、痛みや腫れも次第に治まるでしょう。

皮膚の細胞がはがれて入れかわるターンオーバーは約28日であるが,唇は3〜5日といわれている.そのため,アートメイク後,皮剥けするまでが早い.たとえば,眉は施術後かさぶたができ,定着まで1週間程度だが,唇は3,4日でダウンタイムが終了する.

永森友美. リップのアートメイク. 美容皮膚医学 beauty, 2023, 6.5: 48-54.

施術後およそ1週間:痛み、腫れ、皮むけが治まり色素も定着する

施術後1週間程度で、ほとんどの人が痛みや腫れが引き、皮むけも治まります。それに伴い色素も定着し、リップの仕上がり具合が確認できるようになります。まだ多少の違和感は残りますが、日常生活への支障は少なくなるでしょう。

平均すると、1週間程度でダウンタイムは落ち着きを見せます。色素の定着度も高まり、リップの仕上がりの見え方がはっきりしてきます。

リップアートメイクのダウンタイムでの注意点5つ

リップアートメイクのダウンタイム中の注意点

リップアートメイク後のダウンタイム中は、適切なケアにより色持ちが大きく変わります。

以下の5つの点に気をつけ、リップアートメイクのアフターケアを行いましょう。

①処方された軟膏や保湿剤を使いケアをしっかり行う

ダウンタイム中は処方されたワセリンや保湿剤を使用し、ケアを徹底しましょう。乾燥を防ぎながら、スムーズに新しい肌へ生まれ変わるための重要なポイントです。

②むけた皮を無理に取らない

皮がむけてかさぶたができた場合、無理に取り除こうとすると肌を刺激し、色の抜けや赤みの原因となりかねません。肌が自然に回復する過程を妨げないように、慎重なケアを心がけましょう。

③唇を刺激しない

ダウンタイム中の唇は非常に敏感なため、刺激を最小限に抑えることが重要です。特に、辛い食事は避けましょう。これは、唇の血行を促進し、治癒を遅らせる原因となり得るためです。

また、唇を濡らす行為、特に水やシャワーで直接洗うことも控える必要があります。唇に直接触れること、例えばキスなども同様に、ダウンタイム中のデリケートな唇には刺激となるため、避けましょう。

④紫外線を避ける

ダウンタイム中の日焼けや紫外線は、色素が退色したり抜けたりする原因にもなります。日傘を使い紫外線を避けるなどして、色褪せを防ぎましょう。

⑤汗をかく行動を控える

ダウンタイム中の運動は、代謝やターンオーバーを促進して汗をかきやすくなるため、極力控えましょう。汗による刺激は、唇の腫れを長引かせたり、色の抜けを招いたりする原因となるためです。

また、入浴やプール、シャワーなど、水に長時間触れる行為も避ける必要があります。

まとめ:似合う色選びで顔の印象アップ!長持ちさせるにはダウンタイム中のケアが重要

リップアートメイクまとめ

リップアートメイクの際は、肌タイプや自分の肌に合うナチュラルな色を選べば、顔の印象を自然に引き立て、魅力をアップできます。長期的に色持ちを良くするには、ダウンタイム中のケアが非常に重要です。

これらのポイントを意識して、リップアートメイクの効果を最大限に引き出し、美しい唇を手に入れてみてくださいね!