今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『蜂窩織炎ってどんな病気?』をご紹介させて頂きます。

蜂窩織炎という病気は聞き慣れない方が多いと思いますが、発症頻度は100人に2人程度意外と身近な病気です。そんな、意外と身近な蜂窩織炎についてご紹介させていただきます。

皮膚の内側に菌が入る病気

蜂窩織炎は、小さな皮膚の傷や虫刺されなどから菌が入り込み炎症を起こす病気です。傷から菌が入るということで、傷のできやすい足や腕に起こりやすい病気でもあります。

皮膚は、表皮→真皮→皮下組織→筋膜→筋肉といくつかの層に別れており、蜂窩織炎は表皮のすぐ内側である真皮や皮下組織に炎症が起きます。そのため、皮膚が赤く腫れる、触ると痛みや熱感があるといった症状が出ることが多いです。

また、炎症が急速に広範囲に広がるため、発熱や倦怠感、寒気といった風邪のような症状が出ることもあります。重症化してくると膿が出てきたり、血液まで炎症が広がると菌血症や敗血症という別の病気をおこしてしまったりと侮っていると怖い病気でもあります。

特別な検査や入院はほとんどいらない

蜂窩織炎は、ほとんど診察のみで診断され、検査をするとしたら炎症の程度を見るために血液検査をする程度で特に検査は必要ありません。その理由は、炎症を起こす原因の菌のほとんどが、ブドウ球菌とレンサ球菌というものに限られるためです。

治療も原因の菌が特定されているため、抗菌薬の飲み薬や点滴を1~2週間程度行うのみです。ただし、重症な患者さんであったり、重症化するリスクがある人は入院したりするケースがあります。

逆に、軽い症状の人は自宅で安静療養となることもあります。自宅で療養する場合は痛みや熱感があれば冷やす。血流をよくするために患部を心臓より少し高くすると良いでしょう。

こんな人は蜂窩織炎になりやすい!?

蜂窩織炎は、傷から菌が入るとなんども言っていますが、当然のように傷ができやすい、傷が治りにくい人は蜂窩織炎になりやすくなってしまいます。

具体的にどのような人かと言うと肥満やむくみがある人は、皮膚がパンパンに張っている状態なので、ちょっとしたことで傷がつきやすく治りも悪くなります。病気で言うと、糖尿病や慢性腎不全、慢性肝疾患、がんの人も浮腫(むくみ)ができやすく蜂窩織炎のリスクが高いと言われています。

他には皮膚には、元々体を菌から守るバリア機能があるのですが、その機能が弱くなっている人も蜂窩織炎になりやすい傾向にあります。例えば、水虫などの人は水虫の菌に皮膚のバリアがすでに負けてしまっている状態なので、バリア機能が弱い人になります。
色々と蜂窩織炎になりやすい人の例をあげましたが、どの人もまずは、傷を作らないようにすることや、原因(病気や肥満)をしっかりとコントロールすることが重要です。

蜂窩織炎はそこまで怖くないけれど…

始めに蜂窩織炎は重症化すると菌血症や敗血症になってしまう怖い病気でもあると言いましたが、ほとんどの方は適切な治療をすればきちんと治る病気で自宅療養も可能です。

しかし、蜂窩織炎によく似た症状の病気は多く、丹毒や壊死性筋膜炎、深部静脈血栓症などがあります。その中でも怖いものが壊死性筋膜炎と深部静脈血栓症です。
壊死性筋膜炎は、その名の通り筋膜が壊死していってしまう病気。深部静脈血栓症は、足の深い血管に血栓ができてしまい、だるさを感じる病気ですが、その血栓が血液に流されてしまうと肺の血管を詰まらせ呼吸困難になってしまう病気を起こしてしまいます。このような怖い病気が隠れている可能性もあります。

蜂窩織炎も炎症が広がる前に治療を始めた方が治りやすいですし、重症化もしにくいので「蜂窩織炎かも?」となれば近くの皮膚科クリニックに行くことをおすすめします。皮膚科クリニックが近くにないという人は、蜂窩織炎は一般的な病気であるため内科でも診察してくれるので安心して受診してください。

▶︎医師が薦める「皮膚科」の名医情報なら【名医ログ】