今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『ふつうの玄米と違う?「発芽玄米」の美容効果は?』をご紹介させて頂きます。

白米にくらべて「栄養豊富」な玄米

玄米が「体によい」という知識はだいぶ広まっています。健康志向の人のなかには、玄米食を日々の暮らしに取り入れている人が増えているようです。玄米は日本に古くからある健康食の1つです。白米にくらべて、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を補うことができます。

そのほかにも、最近では「発芽玄米」が注目を集めているといいます。カフェやレストランでも、玄米に加えて「発芽玄米」を目にする機会が以前にくらべて増えたように感じます。では、「玄米」と「発芽玄米」は何が違うのでしょう。栄養価、旨味、甘み、炊き方など、どのような違いがあるのでしょうか。

「白米」と「玄米」はどう違う?

「玄米」も「発芽米」も、特別なお米の種類ではありません。これらは私たちが普段からもっとも親しみよく食べている「白米」の仲間です。白米は、稲から収穫したお米を精製して、炊きやすく、食べやすくしたものです。水分やでんぷんが多く含まれ、ふっくらモチモチとした食感が特徴です。

しかし、白米が日本人の食卓にのぼるようになったのは、江戸時代中期からといわれています。それまで日本人はおもに「玄米」を食べていたようです。「玄米」は、稲から収穫された、お米の「籾殻(もみがら)」だけを取り除いたものをいいます。つまり、
(1)外皮(ぬか)
(2)胚芽
(3)胚乳(白米)が残り、お米を精製する前の状態です。まわりが糠(ぬか)で包まれているため、茶褐色(あるいは黒褐色)をしています。
玄米の「玄」とは、色が濃いという意味です。

白米よりも「低カロリー」な発芽玄米

玄米は、もみ殻を取り除いただけのお米ですので、「胚芽」が残っています。そして胚芽には、発芽して将来、葉や根のもとになる部分がつまっています。そこで玄米を水に浸けて、わずかに(約0.5〜1㎜)発芽させた状態が「発芽玄米」です。水を吸っているため、玄米よりもひと回り大きくふくらんでいるのが特徴です。

「発芽玄米」は、稲の発芽に必要な栄養素を玄米のなかに増やしているため、ミネラルやビタミンB、ビタミンEなどが豊富に含まれています。玄米よりも栄養価が高いといわれるのはそのためです。さらに、白米よりも低カロリーであることも女性に人気がある理由の1つでしょう。

「老化防止」と「肌質向上」が期待できる

「玄米」は、体によいとされながらも、
(1)食べると硬い
(2)炊くのに時間がかかる
(3)消化吸収があまりよくない
などの課題も挙げられます。一方、「白米」は、調理が簡単で、食べやすいお米ですが、玄米にくらべると、ビタミンやミネラルの摂取が少ないことは気になります。

発芽玄米は、この2つの課題をある程度解決することができるお米です。白米と同じく調理が簡単で、ふっくらしたお米は消化によく、ビタミンやミネラルが豊富であることが人気の秘密でしょう。

そして、発芽玄米に多く含まれる「ビタミンE」は、活性酸素を除去し、老化防止に役立ちます。また血流の改善を促し、肌質の向上が期待できる成分です。さらに気になるお味はというと、発芽による酵素の活性化で、甘みが増しているので、独特なおいしさを味わうことができます。

「イライラを抑える」成分が豊富

さらに、近年脚光を浴びている「ギャバ(GABA)」と呼ばれる成分が発芽玄米には多く含まれています。ギャバは、天然アミノ酸の1つで、抑制性の神経伝達物質です。Gamma Amino Butyric Acidの頭文字から名付けられています。


ギャバは、脳内の酸素供給を増やす、脳内の血流を活発にする、脳細胞の代謝を高める、といった作用が特徴です。ドーパミンなど興奮性の神経伝達物質と反対の働きをするため、
(1)イライラを抑える
(2)神経を落ち着かせる
(3)ストレスを和らげる
(4)リラックスさせる
といった効果が期待できます。

ストレスの多いといわれる現代社会には、必要な成分の1つといえるでしょう。食事のたびに穏やかさと安らぎをもたらしてくれる「ギャバ」が、発芽玄米には、白米の約10倍、玄米の約3倍多く含まれています。玄米は、ギャバを効率よく摂取できる食べ物です。