今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『足のしびれは「坐骨神経痛」かも?』をご紹介させて頂きます。

もっとも「太く長い」坐骨神経

坐骨神経は、人間の体のなかでもっとも太く長い神経です。腰、腎部(お尻)、 太もも、ふくらはぎを通って、足先まで伸びています。坐骨神経の通るあたりに、電気が走ったような鋭い痛みなどが起こる症状を「坐骨神経痛」といいます。特に、お尻や太ももの後ろに「しびれ」や「強い痛み」が起こるのが特徴です。

坐骨神経痛は、正式な病名ではなく、症状につけられた名前です。長い坐骨神経の途中で、神経が圧迫されて痛みが起こります。その多くは、原因が特定されて「腰椎椎間板ヘルニア」などといった病気として治療が開始されます。しかし、原因が分からないまま症状が続く場合は、坐骨神経痛が病名とされることがあります。

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坐骨神経痛は、坐骨神経が下半身全般に伸びているため、その症状もお尻から足先まで広範囲に渡ります。一般的には、腰、お尻、太もも、すね、ふくらはぎ、などに
(1)強い張りとこわばりを感じる
(2)鋭い痛みが走る
(3)ビリビリしたしびれが続く、といった症状が起こります。

その他にも、腰や脚に、「冷感」、「灼熱感」、「締めつけ感」、「脱力感」などが見られます。症状は腰や脚の全体に感じることもあれば、その一部に強くあらわれることもあります。軽めの症状をくり返しながら、悪化することがあるため注意が必要です。

治療せずに悪化すると、足腰の痛みで「うまく歩くことができない」、「椅子から立ち上がることができない」、「横になっても痛みがとれない」といった状態にもなりかねません。軽症のうちに、「整形外科」を受診して、適切な治療を始めましょう。

よくある「原因」は2つ

坐骨神経痛は、症状をあらわす総称であるため、原因は人によってさまざまです。スポーツの過度な練習、日頃の運動不足、体を酷使する仕事、加齢などがきっかけで、足腰の骨や関節に何らかの損傷が起こり、坐骨神経を圧迫・刺激して発症します。

原因のなかでも、もっとも多いのが、
(1)腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアと
(2)腰部脊柱管狭窄症(ようぶ・せきちゅうかん・きょうさくしょう)です。「腰椎椎間板ヘルニア」は若年層に、「腰部脊柱管狭窄症」は50歳代以降の中高年層のあいだで、特に目立って見られます。

「腰椎椎間板ヘルニア」と「腰部脊柱管狭窄症」

椎間板は、背骨(脊椎)の骨と骨のあいだにある「円板状の軟骨」です。腰がスムーズに動くようにクッションの役割を果たしています。この椎間板の一部が、過度な運動など何らかの原因で
(1)ずれる
(2)つぶれる
(3)腫れる
(4)盛り上がる
といった状態になると、坐骨神経を刺激して痛みが起こります。「腰椎椎間板ヘルニア」は、こういった症状が腰椎(腰骨のあたり)に起こります。比較的若い年齢の人に見られる病気です。

一方、脊柱管とは、脳からつながる脊髄(中枢神経)が通る細い管です。老化によって背骨や関節が変形することで、脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される、血行が悪くなるなどによって起こる病気が「腰部脊柱管狭窄症」です。加齢による原因が多いことから、中高年や高齢者に見られる障害です。

軽症のうちに「整形外科」を受診する

脚や腰のしびれ、痛みが続くようなら「整形外科」を受診し、専門医に相談しましょう。軽症のうちに治療を始めることが大事です。しかし現在のところ、坐骨神経痛を治す薬はありません。そのため、「薬物療法」や「神経ブロック注射」を使った、痛みやしびれなどの症状をやわらげる治療が進められるでしょう。

その他、運動療法、温熱療法、電気刺激療法などの「リハビリテーション」の実施も症状をやわらげる一因になるでしょう。症状が悪化した場合は、神経を圧迫している原因を取り除くための「外科手術」が検討されます。

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