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今回は『紫外線で皮膚かぶれ?「光接触皮膚炎」とは』をご紹介させて頂きます。

日光に当たって「かぶれ」が起こる

外部にある何らかの物質が、皮膚に接触したことが原因で、刺激やアレルギー反応が起きる症状を「接触性皮膚炎」といいます。化粧品や洗剤に含まれる成分、ゴム、金属、うるしなど特定の物質に触れると「かぶれ」を起こす症状です。

接触性皮膚炎にかかる患者の場合、炎症が起きる物質は、人によってさまざまです。そのなかでも、特定の薬剤や化粧品が皮膚に接触して、さらに「日光(紫外線)」が照射されることで炎症の反応が起こる、という病気が「光接触皮膚炎」です。日光が発症の引き金となることから、「光アレルギー」と呼ばれることもあります。

「薬剤+光」で起こる皮膚炎

光接触皮膚炎は、「薬剤+光」によって起こる皮膚の炎症です。特定の成分が皮膚に残っている状態で、そこに「長波長紫外線(UVA)」が当たると光化学反応が起こり、湿疹があらわれます。

以前は、石鹸・シャンプー・香料などに含まれる殺菌剤が原因として多く挙げられていましたが、現在では各社成分の見直しが実施された結果、洗面・バス用品でのトラブルは少なくなっています。一方、最近では、軟膏剤・グリーム剤・ゲル剤といった「塗り薬」、湿布やテープ剤などの「貼り薬」、さらに「特定の内服薬」、アロマオイル(精油)などが、原因物質として増加傾向にあります。

光接触皮膚炎は、これらの物質を摂取した皮膚に、日光が照射されると、
(1)紅斑(赤い腫れ)
(2)発疹
(3)水ぶくれ
(4)丘疹(小さな皮膚の盛り上がり)
(5)かゆみ
(6)かぶれ
(7)鱗屑(皮膚の表面がカサカサになって剥がれ落ちる現象)
などの症状があらわれます。

「2つのタイプ」がある

光接触皮膚炎は、症状があらわれるメカニズム、湿疹が起こる原因物質の種類や分量、さらに症状があらわれるまでの時間などによって、次に2つに分類されます。

◆光毒性
◆光アレルギー性

「光毒性」は、紫外線によって活性化された薬剤などが、光化学反応により、直接、あるいは活性酸素を介して皮膚に炎症を起こします。誰にでも発症する可能性があり、原因物質が十分な量摂取され、さらに一定以上の紫外線を浴びた状態であれば、すぐに症状があらわれるのが特徴です。

「光アレルギー性」は、光化学反応の結果、アレルギーが誘発されて湿疹などの症状が起こります。原因物質の少量摂取、紫外線のわずかな照射でも発症する可能性があります。24〜48時間といった一定の潜伏期間を経て発症するのが特徴です。紫外線を浴びてすぐに発症しないため、発見や治療の遅れが心配されます。

光接触皮膚炎の「原因物質」とは?

光接触皮膚炎は、「外用薬(貼り薬、塗り薬)」では湿布、テープ剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、「内服薬」では利尿薬、抗うつ薬、抗生物質、抗炎症薬、糖尿病薬、抗ヒスタミン剤、抗真菌剤、などの成分に原因物質が含まれていると報告されています。

特に、
(1)ケトプロフェン
(2)ソラレン
(3)ベルガモット
(4)チアジド
といった成分には接触しないよう、十分な注意が必要です。外出などのあとで皮膚のかぶれ、かゆみを感じたら、できるだけ早めに「皮膚科」を受診し、専門医に相談しましょう。

「光パッチテスト」検査を受ける

光接触皮膚炎は、原因が特定できないと症状が重症化して長引くケースがあります。湿布などの使用をただちに中止して、「光パッチテスト」と呼ばれる検査を受け、原因物質を特定することが大事です。治療には、ステロイド剤の外用薬や、抗アレルギー剤の内服薬といった薬物療法がすすめられるでしょう。

患部を3ヶ月以上遮光して過ごすことになります。症状が落ち着くまで、外出には、デニムなど厚手の生地の服を着用します。湿疹は治りにくく、治療には時間が必要です。普段から、貼り薬や塗り薬は、他人が処方されたものを安易に使うのは禁物です。さらに、夏場に向かって、肌の露出が増える季節です。自分や子どもの肌に異常がないか、毎日確認する習慣が大事です。

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