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今回は『子どもの発熱時に多い「熱性けいれん」の対処』をご紹介させて頂きます。

乳幼児の「10人に1人」が起こる発作

子どもが発熱時に突然、体が硬直して手足が震える症状を見せるのが「熱性けいれん」です。だいたい、6歳までの乳幼児期にあらわれる発作性の疾患です。乳幼児のおよそ10人に1人(データでは約7〜8%)がかかると言われ、特に1〜2歳の子に多く見られます。

熱性けいれんは、乳幼児の発作としては珍しい症状ではありません。しかし、目の前で子どもが突然、体がけいれんして白目をむき、名前を呼ぶなど問いかけにも反応がないなどの状態を見せられると、ママやパパはびっくりしてパニックになってしまうでしょう。

そこで、熱性けいれんを経験する前に、基本的な知識と対応をあらかじめ理解しておくことで、いざというときに、落ち着いて正しい対処が行えます。

熱性けいれんが「起こりやすい」条件

熱性けいれんは、未成熟な乳幼児の脳に、高い熱が何らかのストレスを与えることで、けいれんなどの発作が起こるとされていますが、原因など詳しいメカニズムについては明らかになっていません。現在では、次のような条件で症状が起こりやすいことが分かっています。

・38度以上の高熱が出ると発作が起こりやすい
・熱が出てから、24時間以内に起こることが多い
・けいれんは、約5分以内に治まることが多い
・親や兄弟が経験していると、起こる可能性が高い

風邪・はしか・インフルエンザでは、気をつけて!

風邪・はしか・インフルエンザなど、子どもが高熱を出しているなかで、突然に体を強ばらせ、手足を突っぱねるようなら「熱性けいれん」が起こりやすい状態であるとみて、子どもの様子に注意をはらいましょう。

さらに、
(1)白目をむく
(2)口から泡を吹く
(3)アゴが震える
(4)手足をばたつかせる
といった症状が起こる可能性があります。また、皮膚や唇、爪などが青紫色になることがあります。これは血液中の酸素濃度が低下したことで起こる「チアノーゼ」と呼ばれる症状です。

慌てず「6つの応急処置」を行う

熱性けいれんが起こったら、ママやパパが落ち着いて行動することが大事です。発作が始まったと感じたら、冷静に時計を見ます。これは「発作がどれくらい続いたか」、「発作が治まってから意識がどれくらいで戻ったか」を知っておくためです。診察が必要なときに、この時間が大事になります。

そして、次のような応急処置をとります。落ち着いて対処しましょう。

・平らなところに寝かせる
・首回りなど、衣服をゆるめる
・頭を少し反らせて、気道を確保する
・嘔吐したときは、顔を横向きに寝かせる
・吐物や分泌物が出ていたら、拭き取る
・意識が戻るまで、必ず子どものそばにいる

絶対に「やってはいけない」こと!

熱性けいれんが起こると、ママやパパはかなり驚くでしょうが、それでも慌てて、次のような行為をしてはいけません。そのことが刺激になって、発作が長引くことにつながるからです。

・体を抱きかかえる
・大きな声で名前を呼ぶ
・体を大きく揺する
・水などを飲ませる
・口の中に物を入れる

熱性けいれんの約70〜80%は「単純型熱性けいれん」と呼ばれる治療の必要がないものです。しかし、けいれんが5分以上続く、発作が治まっても意識の戻りが弱い、といった症状が見られるときは、すみやかに救急車を呼びます。医師の受診が必要となるでしょう。脳炎、髄膜炎、てんかんなどを引き起こす「複雑型熱性けいれん」の可能性が疑われます。

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