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今回は『10人に1人が抱える現代病「過敏性腸症候群」とは?…』をご紹介させて頂きます。

通勤・通学時に「お腹が痛く」なる

通勤や通学の途中で、なぜかお腹が痛くなるという症状をくり返す人がいます。特に思いあたる原因がなく、急にお腹が張ってトイレに駆け込むことが日常的によく起こるのです。いつもお腹の調子が気になって、電車の中などすぐトイレに行けない状況ではプレッシャーを感じるといいます。

普段は健康な人でも、重要な会議や商談が近づくと、あるいは大事な試験やイベントのときなどにも、なぜか腹痛が襲ってきます。また、仕事や学校を離れて、楽しいはずの旅行でも、下痢便秘に悩まされるというのです。このような状況が1ヶ月以上続くようなら、「過敏性腸症候群」という病気かもしれません。これは別名、IBS(Irritable Bowel Syndrome)とも呼ばれる症状です。

「7人に1人」が悩む、お腹の痛み

過敏性腸症候群は、20~30代の若い世代に多くみられます。日本では「7人に1人」がこの症状による悩みを抱えているようです。消化器科を受診する人の約30%は、過敏性腸症候群を相談するといいます。男女でくらべてみると「1対1.6」で、やや女性に多くみられる病気です。

通勤(あるいは通学)電車の中でいきなり腹痛に襲われ、途中下車して駅のトイレを急いで探す、という経験は典型的な過敏性腸症候群の症状といえるでしょう。周囲から「精神的に弱い」などと言われることで、症状が悪化することがあります。誰しもが経験したことのある症状ですので、決して恥ずかしがることはありません。

「ストレスが原因」と言われるが

慢性的な腹痛が起こることから、内科や消化器科を受診し、レントゲンや血液検査、内視鏡検査を行いますが「異常が見つからない」ことがあります。過敏性腸症候群の詳しい原因は、今のところ明らかになっていません。何らかのストレスによって、脳内に放出されたストレスホルモンが腸の動きを刺激することで症状が起こると考えられています。

また疲労、不眠、不安感などの精神症状で悪化するケースがみられることから、心が大きく関与する「心身症」とのつながりがうかがえます。

症状によって「3つのタイプ」に分類

過敏性腸症候群は、症状によって大きく
(1)下痢
(2)便秘
(3)混合型(下痢便秘を交互に繰り返すタイプ)、に分かれます。
これまでの症例では、下痢型は男性に多く、女性は便秘型になりやすいといわれています。

脳と腸と自律神経でつながっています。したがって、脳に感じたプレッシャーは、自律神経を通して腸を刺激し、大腸のぜん動運動が盛んになって下痢をしたり、減少して便秘になったりします。さらにお腹の不調は自律神経を介して脳に伝わることで、腹痛をくり返すという悪循環が起こってしまいます。

「心療内科の医師」に相談してみる

過敏性腸症候群は、腹痛が起こるのは午前中が多く、午後からは回復するのが特徴です。午後からは、体調がよくなり、健康で食欲もあるのですが、翌朝の通勤(通学)時にはまた腹痛にみまわれるという状態が起こります。

原因がはっきりしていないため、まずは下痢止めや整腸薬など対処療法が用いられます。自己判断で市販薬を服用して悪化する場合もあります。できれば、心療内科や精神科を受診し、専門医による診察を受けるとよいでしょう。

医師が処方する薬と併せて、食事療法や運動療法をはじめとする「生活習慣の見直し」を行うことで、回復に向かうと言われています。

◆この記事の監修医師◆

 

畠山医科歯科クリニック
畠山 毅 (ハタケヤマ ツヨシ) 院長

 

〒328-0012
栃木県栃木市平柳町2-12-39

 

診療科目
精神科 児童精神科 心療内科 美容皮膚科 小児歯科 矯正歯科 歯科

 

<参考ページ>
畠山医科歯科クリニック公式ホームページ
畠山医科歯科クリニックWEB予約ページ

 

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