本記事の監修医師

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今回は『むくみと猛烈なダルさ!「尿毒症」について』をご紹介させて頂きます。

腎臓の機能低下が原因

腎臓病が進行して、腎臓の機能が低下すると「腎不全」という状態が起こります。腎臓は、血液を「ろ過」して老廃物や塩分、余分な水分を尿として体の外へ排出し、体に必要なものは再吸収する役割を果しています。

腎臓の機能が低下すると、ろ過して尿を作ることができず、体内に老廃物が蓄積してしまいます。さらに症状が悪化して、腎臓の働きが「健康な人の15%未満」にまで低下すると、体内の老廃物や余分な水分が、尿として体外に排出できなくなり、「尿毒症」と呼ばれる症状が出始めます。

さまざまな「自覚症状」が出たら

腎臓病は、初期の段階では自覚症状がほとんどないのが特徴です。そのため、ほとんどの患者さんは、健康診断などの検査によって、はじめて自分が腎不全であることを知るようになります。

やがて腎不全が進行した場合、「尿毒症」として、次のような自覚症状を感じることになります。全身の多くの箇所に、さまざまな形であらわれるのが特徴です。

・顔や脚がむくむ
・皮膚が黄褐色に変色し、かゆくなる
・疲れやすく、息切れが多く見られる
・視力や知覚が低下する
・貧血で顔色が悪くなる
・頭痛、めまい、不整脈、高血圧があらわれる
・倦怠感、眠気、動悸、息切れ、呼吸困難があらわれる
・食欲不振、吐き気、胃炎など消化器に異常がみられる
・睡眠障害、けいれん、イライラ、うつ、不安感があらわれる
・手足のしびれ、関節痛、麻痺、筋力低下が見られる

症状を放置すると、死にいたるリスクがあります。気になる症状があるときは、すみやかに「腎臓内科」を受診しましょう。近くにない場合は「内科」を受診し、医師と相談のうえ「腎臓内科」を紹介してもらうのがよいでしょう。

原因は「尿毒素」という物質

尿毒症の原因は「尿毒素」と呼ばれる物質です。尿毒素は、健康であれば、腎臓の「糸球体」という部分でろ過されますが、腎不全が悪化した状態では血中に蓄積してしまいます。

糸球体が、1分間でどのくらいの血液をろ過するか(尿のもとを作るか)をあらわす数値を「GFR(Glomerular Filtration Rate:糸球体ろ過量)」と言います。GFRの数値が高い(つまり、ろ過される毒素の量が多い)ほど腎臓は健康といえます。一方、GFR値が低く、排出される尿毒素の量が減っていると、毒素は体内に蓄積され、やがて、心臓、消化器、脳神経などにさまざまな障害を引き起こします。

まずは「利尿を促す」治療

尿毒素には、ナトリウム(塩)、カリウムなどの日常的な物質から、タンパク質が原料となる物質まで、200種類以上も存在しています。尿毒症毒素がどのようにして、さまざまな症状を引き起こしているかは、現在のところ明らかになっていません。

尿毒症の治療は、基本的に症状に応じた「対症療法」を進めることになるでしょう。尿量が減少し、老廃物が体内に溜まっていることから、まずは利尿を促す治療が一般的です。

【この記事の監修・執筆医師】

 吉祥寺まいにちクリニック 

 柳澤 薫 院長先生

 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-9-10 レインボービル2階

 TEL:0422-29-3092

<参考>
吉祥寺まいにちクリニック公式ホームページ

吉祥寺まいにちクリニックの ホスピタ・病院紹介ページ

 
 

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