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今回は『異常な汗かきは「多汗症」かも?』をご紹介させて頂きます。

発汗は「重要な」生理現象

汗をかくことは、疲れるし不快ですが、私たちの体には欠かせない生理現象です。

汗の役割は「体温の調節機能」です。気温の上昇、運動のあと、精神的に緊張したとき、辛いものを食べたとき、病気による発熱などで体温が高くなったとき、発汗は起こります。汗をかくと、水分が皮膚のうえで蒸発するときに、熱が奪われて体温は下がります。つまり、環境や体調の変化にも、発汗することで私たちは平熱を保っているのです。

「暑くなくても」多量の汗をかく

人とくらべて多く汗が出る状態を「汗かき」とよく言うでしょう。太っている人や、日常的に運動する習慣のある人に、汗かきの人は多くいます。しかし、気温が高くもなく、運動のあとでもないのに、大量の汗が出るのは「多汗症」という病気かもしれません。
多汗症は、体温調整の必要がないときでも、異常な量の汗をかきます。自宅でリラックスしているときも、朝に体を始動するまえにも、多量の汗をかくようです。

あなたの多汗症は「全身」か「局所」か?

多汗症は、決してめずらしい病気ではありません。思春期から中年まで幅広い層にあらわれ、学業や仕事など活動が盛んな年代に多くみられる病気です。そして「全身性多汗症」と「局所性多汗症」の2つに分類されます。

全身性多汗症は、全身に多量の汗をかきます。局所性多汗症は、特定の部分(手のひら、足の裏、わきの下など)だけに多量の汗をかきます。どちらも原因の1つは「ストレス」といわれています。しかし、詳しい原因については研究の途中であり、現在のところ明確な原因は特定されていないようです。

自分が「多汗症かどうか」を調べるには?

自分が「多汗症であるかどうか」は、普段どれほど汗が出るか、などの明確な基準はありません。日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン」によれば、次に挙げる6つの症状のうち、2つ以上にあてはまる人は、多汗症と診断されます。

・最初に症状が出るのが25歳以下であること
・対称性(体の左右対称)に発汗がみられること
・睡眠中は発汗が止まっていること
・1週間に1回以上、多汗のエピソードがあること
・家族歴がみられること
・それらによって日常生活に支障をきたすこと

治療は「皮膚科」の医師に相談

多汗症の治療は、皮膚科を受診し、医師に相談して始めましょう。治療は「塩化アルミニウム外用療法」を行うのが一般的です。塩化アルミニウム溶液は、汗を出す管(汗管)の細胞に作用し、汗管を閉塞させる効果があります。ただし、効果を持続させるには継続的な使用が必要です。

1日1回おやすみ前に、塩化アルミニウム溶液を手のひら、足の裏、わきの下などに塗ります。翌朝、塗った箇所を水で洗い流します。約2週間、毎日くり返し塗ります。効果が見られたら、週1~2回の塗布に切り替えて、引き続き治療を続けます。

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