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今回は『4月がピーク「黄砂アレルギー」に注意して!!』をご紹介させて頂きます。

黄砂は「3〜5月に起こる」自然現象

中国大陸から偏西風によって飛来する「黄砂」は、東アジア内陸部のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠など乾燥地帯の砂塵が、鉱物粒子とともに、強い風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられ、その後、偏西風にのって日本へと飛来し、広い範囲に舞い降りる自然現象です。

黄砂は1年中飛散していますが、日本では3〜5月によく観測され、4月がピークといわれています。春先、よく晴れているのに空が黄褐色に煙る様子や、自動車の窓、道路、家の屋根、洗濯物などに、うっすらと黄色い粉が付着しているのを見かけたことがありませんか。それが「黄砂」です。

花粉症より、症状が重く長い

黄砂は、以前からある現象ですが、近年では、森林伐採などの影響により黄砂の量が増えています。さらに、中国や韓国上空を通過する際に、都市や工場地帯で排出された酸性物質や公害物質などもいっしょに運んできてしまうことで、農作物、生活環境、人体への健康などに大きな被害がもたらしています。

特に人体への影響は「黄砂アレルギー」といわれ、花粉症と同じように目の充血、眼精疲労、喉の腫れ・痛み、鼻水、鼻血、咳、皮膚のかゆみなどの症状があらわれます。花粉症にくらべて、症状が重く、期間が長いのが特徴です。さらに、気管支喘息、アトピー、鼻炎、肺炎、気管支炎などの症状を悪化させることがあります。

「PM2.5」と「黄砂」について

近年、黄砂アレルギーは、中国の深刻な大気汚染によって問題は大きくなっています。そこには、発がん性が懸念される「PM2.5(微小粒子状物質)」飛来が原因です。

PM2.5は、大気中に浮遊する粒子のなかで、大きさが 2.5µm以下(髪の毛の太さの約30分の1)の非常に小さな粒子をさします。ボイラーや焼却炉などの施設によって直接排出されるものと、環境大気中で化学反応して生成されたものとがあります。成分はさまざまですが、「国際がん研究機関(IARC)」は、2013年10月、PM2.5成分の111種類について「ヒトについて発がん性がある」と発表しています。さらに世界保健機構(WHO)は、PM2.5を発がん危険度5段階のうち最高レベルに分類しています。

粒子が非常に細かいため、肺の奥深くまで入りやすく、肺組織を傷つけ、そこから血液の中に侵入して、全身を巡り、臓器などにも悪影響を及ぼすとされています。肺がんのリスクが心配されます。そのほか、次のような疾患が、PM2.5によって引き起こされています。

<呼吸器疾患>
喘息、気管支炎、閉塞性肺疾患、肺気腫

<消化器疾患>
腸閉塞

<循環器疾患>
高血圧、虚血性疾患、不整脈、心不全、

<眼疾患>
角膜障害、ドライアイ

「花粉以上の注意」が必要

黄砂アレルギーの予防は、花粉症と同じくマスクや眼鏡によって体内への侵入をブロックするのが有効です。しかし、PM2.5は粒子が細かいため、花粉に対する以上の注意が必要です。

マスクは、PM2.5に対応する目の細かいものを使用しましょう。4月は黄砂が飛びやすい季節です。できるだけ外出を控える、洗濯物を屋外に干さない、などの対策が必要です。予防薬や特効薬はありません。黄砂アレルギーの発症が疑われるときは、アレルギー科や耳鼻咽喉科を受診し、検査や、症状にあわせ治療を受けましょう。

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