今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『ハイレジ・ダイエットってご存知ですか?』をご紹介させて頂きます。

いまの日本にはいくつのダイエット法があるのでしょうか。ネットで「ダイエット」を検索すると、星の数ほどサイトが現れます。しかしきょう紹介するダイエットは、まだあまり知られていません。
ハイレジ・ダイエットです。
ちょっと難しそうな名前ですが、やり方は簡単です。冷えたふかしジャガイモを食べるだけです。
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ジャガイモ、インゲン、白米にも

ハイレジの「レジ」は「レジスタントスターチ」の略です。レジスタントは「消化しにくい=難消化性」、スターチは「でんぷん」という意味です。ハイレジの「ハイ」は「たくさん摂りましょう!」という意味です。
つまりハイレジ・ダイエットは「難消化性でんぷんをたくさん摂ってやせよう」という減量法です。
難消化性でんぷんを多く含む食材は、ジャガイモ、インゲン豆、トウモロコシ、大麦、そして白米です。
白米やパスタには、レジスタントスターチが1%程度含まれています。この2つの食材にダイエット成分が多く含まれているのは嬉しいですね。最も多く含むのはジャガイモで6%も含まれています。
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調理方法というより食べ方が重要

しかしこれらの食材を普通に食べても、大きな効果は出ません。ある特殊な調理方法、というより食べ方が重要です。
まずは普通に作ります。ジャガイモなら普通に蒸かし、白米は普通に炊いてください。温かいうちに食べたいところですが、しっかり冷ましてから食べてください。
レジスタントスターチは、加熱すると減り、冷めると加熱前より増えるという性質があるのです。加熱調理が不要というわけではなく、調理で加熱した後に冷やすことがポイントです。
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大腸にそのまま届くから健康にやせられる

それでは次に、太る原因になりそうなでんぷんが、なぜダイエット食になるのでしょうか。単なるでんぷんではなく、「レジスタントスターチ」は消化しにくいでんぷんだから減量効果があるのです。
「ダイエット効果がある消化しにくい食材」と聞いて思い出すものはありませんか? そうです食物繊維です。実はレジスタントスターチは、食物繊維と同じような働きをするのです。
消化しないということは、カロリーが体内に蓄えられない、ということです。これが第1のダイエット効果です。
第2のダイエット効果は、腸内環境が改善されることで現れます。レジスタントスターチは消化されないのでそのまま大腸に届き、善玉菌のエサになるのです。腸内環境の悪化が肥満の原因になり得ることは医学的に証明されています。
良い腸内環境は免疫を強化することも知られています。なので食物繊維はがんの発症リスクを抑えると考えられています。
残念ながらレジスタントスターチの研究はそこまで進んでいないので、「レジスタントスターチが、がんの発症リスクを減らす」ことは証明されていませんが、食物繊維と似た働きをすることから、期待できます。

体脂肪の低下、糖尿病予防も

がんだけではありません、食物繊維は体脂肪を低下させ、糖尿病と高血圧を予防します。こうした効果もレジスタントスターチに期待できます。
レジスタントスターチ入りの高脂肪食を食べさせたマウスと、普通の高脂肪食を食べさせたマウスでは、レジスタントスターチ入りを食べたマウスの方が脂肪量の増加が小さかったのです。
こうした研究結果を受け、株式会社プロントコーポレーションという会社がレジスタントスターチをたっぷり含む「ハイレジ生パスタ」を開発しました。パスタの70%がレジスタントスターチです。肝心な味ですが、モニターの感想はもちもちしておいしいと好評だったそうです。
同社によると、「ハイレジ生パスタ」は1食でレタス2.5個分の食物繊維と同等の効果が期待できるそうです。
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まとめ

ハイレジとロカボは一見矛盾するがどちらも正しい
炭水化物を極力摂らないローカーボン・ダイエット、通称「ロカボ」が流行しました。この新しい方法で「やせることができた!」という人は大勢います。
しかしハイレジ・ダイエットは、炭水化物のジャガイモや白米をすすめています。
ダイエットは1つの方法だけを突き詰めない方が良いと言われています。ロカボとハイレジは一見矛盾した方法ですが、どちらも科学的には「正しい」のです。色々試すことが健康にダイエットをする秘訣かもしれませんね。