今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『アンチエイジングの敵は、「酸化」と「糖化」!!』をご紹介させて頂きます。

それぞれの年齢で、生き生きした心と体を保つ

医学の進歩によって、老化のメカニズムが解明されはじめています。抗加齢医学(アンチエイジング医学)という分野も医学界に誕生し、その原因や対策を研究する機関が増えています。

テレビや雑誌でも、「アンチエイジング」の文字を目にするようになりました。「老化防止」という意味でしょうが、単に寿命を延長することではなさそうです。アンチエイジングは、それぞれの年齢で、心と体を生き生きとした状態に保ち続けることを目指すものでしょう。
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老化スピードを遅らせる2つのキーワード

エイジング(老化)を加速させる大きな原因が、体の「酸化」と「糖化」です。酸化は「体がサビる」、糖化は「体がコゲる」という状態です。この2つが、シワ・シミ・たるみなど老化に深く関与しています。

同窓会に参加すると、フケている人、若々しい人、まるで変わらない人など見た目に大きな差が感じられますが、これは体の酸化と糖化が影響しています。

そういえば昨年、若返り薬「NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)」がテレビで特集されて話題になりました。しかし、NMNは現在マウスからヒトへの臨床実験に移る段階です。残念ながら、私たちが薬を飲んで若返るのは、少し未来のことになりそうです。

それでも、いま老化のスピードを遅らせることは可能です。老化スピードを遅らせるには、老化のメカニズムについて知っておくのがよいでしょう。必要なキーワードは「酸化」と「糖化」です。

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体が「サビる」大きな原因は酸素

むいたリンゴや金属は、時間を重ねると茶色く変色しますが、実は体にも同じことが起こっています。専門的には「酸化反応」といいます。つまりサビている状態です。

サビる原因は「酸素」です。人間が生きるために取り入れる酸素は、体の細胞すみずみまで届けられ、エネルギーを作り出しています。その過程で、酸素の一部は、酸化力の強い「活性酸素」に変化します。活性酸素は、その強い攻撃力で体内に侵入したウィルスから体を守るのが役割です。

しかし、活性酸素が体内に増え過ぎると、健康な細胞や血管まで傷つけ、体の内側をサビつかせて(酸化させて)しまうのです。とは言っても、人間の体は活性酸素を抑えるための「抗酸化酵素」を持っています。ところが、年齢を重ねるとその働きは弱くなります。すると体がサビやすくなり、シミやシワが増えるようになります。

活性酸素は、呼吸による酸素以外にも、紫外線・喫煙・ストレス・排気ガス・アルコールの摂り過ぎ・食品添加物によって作られます。体のサビが蓄積すると、動脈硬化などを引き起こし、生活習慣病を招くほか、臓器の働きが悪くなることで癌や心臓疾患を発症するリスクが高いと考えられています。
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「糖質」の摂り過ぎが、老化促進物質を作る

人間の体は多くが「たんぱく質」で作られています。食事で糖質を摂取すると、体内のたんぱく質と結びつき「AGE(終末糖化産物)」という物質が生成されます。これは、たんぱく質と糖が加熱されてできた物質で、 強い毒性を持つ「老化促進物質」です。

つまり「糖化」とは、体内にAGEが蓄積されることです。糖化反応(メイラード反応)といいます。糖化すると、肌のたんぱく質であるコラーゲンやケラチン(角質)に大きな影響がでます。

透明はなずのコラーゲンやケラチンが茶褐色に変色し、「くすみ」となります。コラーゲンが硬化すると肌のハリが失われ「たるみ」や「シワ」が発生します。一度作られたAGEは分解されにくく、新陳代謝を悪くするのも特徴です。さらに、糖尿病につながる恐れがあります。

「酸化」よりも「糖化」のほうが美容と健康の大敵と言われています。糖化の原因は糖質の摂り過ぎです。砂糖だけではなく、白米・パン・麺類に含まれる炭水化物や果物にも糖質は含まれています。必要以上に摂取した糖質は、体内のたんぱく質と結びつき、体温で加熱されることで、体をコガすAGEを作っているのです。
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食べる順番を変えるだけでも、効果あり

体をサビつかせる「活性酸素」の発生を抑えるには、「抗酸化」の作用が強い栄養素を積極的に摂るのがおすすめです。

ビタミンC(オレンジ、レモンなど)、ビタミンE(モロヘイヤなど)アントシアニン(ブルーベリーなど)、イソフラボン(大豆など)、セサミン(ゴマなど)、リコピン(トマト、スイカなど)をできるだけ摂取するよう心がけます。

体をコガす糖化は、食後の血液中に糖が過剰にあることで起こります。糖化を防ぐには、食事による「血糖値の上昇」をゆるやかにすることです。白砂糖を使った菓子類、白米、パン、麺類は急激に血糖値を上げるため、摂取する量を控えめにしましょう。

食べる順番を、野菜→肉→ご飯に変えるだけで、血糖値の上昇は抑えられます。これは簡単に実践できるエイジングケアの1つです。