今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『咳の対処法』をご紹介させて頂きます。
最近は長引く咳が増えてきたといわれています。大気汚染が原因か、生体反応の変化が原因か、と様々な説がありますが、長引く咳でつらい思いをしている人はたくさんいます。
咳そのものの苦痛に加えて、咳が出続けると不眠や肋骨骨折を招き身体的苦痛があるだけでなく、集団生活で「なにか感染症にかかっているのか」と距離を置かれてしまうこともあります。

咳そのものは、体を異物から守るための防御反応です。気道の中に異物が入らないように防ぎ、吐き出すために咳が出ます。また、喉や気管に炎症があるときには分泌物である痰が増えるために、それを除去するために咳が出ます。病院では咳の原因となる病気の治療薬とともに、痰を出しやすくする薬、気道を拡げる薬、咳を鎮める薬などが主に処方されます。

今回は薬に頼らない咳の対処法をまとめました。
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室内環境をチェック…加湿と掃除

乾燥した空気では痰が固くなり喉に絡まって出しづらくなるので、加湿を心がけてください。室内の湿度は60%程度が望ましいです。また、空気中のホコリを吸い込むことで異物として気道に入り咳の原因となります。室内はこまめに掃除し、換気をしておくことが予防になります。ハウスダストアレルギーの場合には、布団を干した後に掃除機で吸うことや、ハウスダストアレルギー対策の寝具を使用することも効果的です。

姿勢を変えてみる

就寝時は日中よりも副交感神経の働きが活発になります。体がリラックスした状態になるために筋肉が緩むことで気道が狭くなってしまいます。狭い気道を空気が通ることで、気道粘膜への刺激が大きくなり咳が出やすくなります。また、仰向けの姿勢で鼻水や痰が気道に流れ込むことで刺激になり、咳を誘発することもあります。
横を向くことで気道が広がりやすくなるので横向きに寝てみて下さい。鼻水や痰が気道に落ち込むことも少なくなります。他には枕を高くする方法があります。頭だけを高くして首が曲がった状態だと、鼻水が喉に溜まりやすくなるので、背中から上体を高くしてください。枕の下にクッションなどを入れるといいでしょう。
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マスクをつける

マスクは鼻と口を覆うことで、吐いた息を受け止めて加温し加湿することができます。冷たい空気を吸い込むと、気管が収縮して刺激となり咳を誘発してしまいます。ホコリなどの異物を吸い込むことも防ぐことができます。
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温かいものを飲んでみる

温かい飲み物を飲むと加湿・加湿効果で痰が出やすくなります。水分を摂ることで痰が柔らかくなります。少しずつゆっくり飲むと効果的です。ハチミツを入れるとさらに効果が期待できます。ハチミツは抗菌・抗炎症効果があり、昔から民間療法として取り入れられ、世界的にも使用されています。咳止めの薬と同等の効果があったとの報告もあります。ただし1歳未満の子どもには使用できません。小さじ2杯程度をお湯で半分くらいに薄めて下さい。
生姜湯も体を温め抗菌効果があるのでお勧めです。大根、玉ねぎ、長ネギ、レンコンなどの食材も咳に効果があるとされているので意識して食事に取り入れて下さい。
反対に冷たい飲み物では、刺激で気道が収縮するために逆効果です。他に避けるべきものとしてはアルコールや唐辛子などの刺激物や味の濃いものです。喉から水分を奪って痰を増やしてしまうので、できるだけ避けた方がいいでしょう。
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禁煙

咳の症状があるとき、喫煙はすぐにやめて下さい。たばこにはたくさんの有害物質が含まれています。禁煙することで痰を減らし咳の軽減に繋がります。自分は吸わないけれど、周囲に喫煙者がいる場合にも気をつけて下さい。マスクでは不十分なので、徹底的に分煙するのが望ましいです。

長引く咳はとてもつらいものです。まずは原因を突き止めて、しっかりと治療を行いながら、少しでも楽にするための工夫を取り入れてみて下さい。

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