今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『我慢できない皮膚のかゆみ、改善策?』をご紹介させて頂きます。

かゆみを感じているのはどこ?

かゆみは脳で感じています。
通常は蚊にさされたといったように皮膚の一部分でかゆみを感じます。この場合は皮膚の表皮と真皮の間にあるかゆみを感じ取る神経が刺激されて、脳に信号を送りかゆみを感じます。皮膚は外部からウイルスや細菌、異物などが侵入しないように体を守っている臓器です。そこに外から何かが侵入してきた場合、脳に異常を知らせる必要があります。その異常信号の1つがかゆみです。真皮にはかゆみを引き起こすマスト細胞があり、この細胞が刺激を受けるとかゆみの元になるヒスタミンを放出してかゆみがおきます。
もう1つは全身の問題で体の中に脳のかゆみを感じる部分を刺激する物質ができた場合にもかゆみを感じます。例えば肝臓病では黄疸がでるとかゆみが増しますが、これは肝臓で作られる胆汁酸という成分が全身に広がり、皮膚を刺激するためと考えられます。腎臓が悪くなると、本来は体に不要なもの、もしくは体内に溜まると毒性が出る成分を尿とともに捨てられていたのが、捨てられなくなってかゆみがでることもあります。
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日常生活でかゆみを改善させる

かゆみが出た場合は、まずその部分の皮膚の状態を観察しましょう。ひっかいてもいないのに赤みや黒みなどの着色があったり、盛り上がっている場合、膿がでている場合は皮膚の病気の可能性があるので、自分で対処せず、診断を優先して皮膚科を受診しましょう。特に皮膚の変化がないようであれば、次に皮膚に触れたものを確認してみましょう。布団は時々干しているか、新しい服や肌着を使用しなかったか、化粧品を変えたばかりではないか、こういった原因が思い当たるようであれば一度、元に戻してみましょう。また食事やサプリメントも見直しましょう。普段食べないようなものを食べなかったか、賞味期限が過ぎたようなものはなかったかといったことを見直します。かゆみは直後に出るとは限らないので、1週間以内に思い当たることがあればそれが原因かもしれません。さらに普段は問題なかったものでも、風邪を引いていたり寝不足など体調が低下しているときだけ症状が出ることもあります。この場合は、まず自分の生活を見直して十分な休養と栄養をとるよう心がけましょう。
体があたたまるとかゆみは強くなります。そのため、お風呂に入った後や布団に入った時にかゆみが強くなり、中には寝られないこともあります。そのような場合は水にぬらして絞ったタオルや、タオルにまいた保冷剤をかゆい部分に当てて冷やすと症状は改善されます。
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薬でかゆみを改善させる

自分で対応してもかゆみが続く場合は、内臓から来るかゆみの可能性もあるので、皮膚科もしくは内科を受診しましょう。内臓で治療する部分があれば、そちらの治療が優先されます。
内臓に原因がない場合は、先述した真皮のマスト細胞によるかゆみの可能性があるので、マスト細胞が放出するヒスタミンを抑える薬の投与が行われます。これは花粉症の時に使用される抗アレルギー剤が一般的です。服用期間は症状が改善するまでですが、原因が取り除けない場合は長期に服用が必要なこともあります。局所的なかゆみの場合はステロイドの入った塗り薬だけで様子を見ることもあります。ステロイドには強弱がありますが、炎症の程度や、塗る部位の薬の染みこみやすさで判断されて処方されたものですので、複数の塗り薬が処方されても、塗る部位は指示されたように守りましょう。

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