今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『角質増殖型水虫』をご紹介させて頂きます。

角質増殖型水虫

水虫の治療は「私の水虫」を知ることから始まります。それくらい種類が豊富ということです。まずは、「どこに発生するか」で分類されます。大きくは「足」「手」「頭」「股間」の4つに分かれます。
この記事では、「足」に注目します。しかし、「足の水虫」にも、4種類もあるのです。
・指と指の間にできる「趾間(しかん)型水虫」
・水ぶくれができる「小水疱(しょうすいほう)型水虫」
・爪にできる「爪白癬(つめはくせん)」
・本日紹介する「角質増殖(かくしつぞうしょく)型水虫」

角質増殖とは?

角質増殖型水虫は、「やっかいもの」として名高い水虫です。やっかいな理由その1は、「見つけにくい」ことです。「かかと」が「カサカサ」したり「白くなる」。これが、角質増殖型水虫の初期症状です。
そうなんです、かゆみもなく、グジュグジュもないのに、水虫なのです。それで、発症しても、「年齢相応の肌荒れだな」と思い込み、放置してしまうのです。それでも水虫は水虫ですので、放置したままだと、他人にうつしてしまいます。
また、水虫は汗が大好物なので、春から夏にかけて悪化するのが一般的なのですが、この角質増殖型水虫は、冬にひどくなるのです。悪化すると、かかとだけでなく、足の裏全体が白くなり、ひび割れが生じます。足の裏の皮が厚くなったように感じることもあります。

角質増殖型水虫

「冬に悪化する水虫」は、水虫全体では、圧倒的な少数派です。それで実は、皮膚科の医師でも、見落としてしまうことがあるのです。「あかぎれ」と誤診されることも珍しくないそうです。保湿クリームでケアをしても症状が改善されない場合、「あかぎれ」ではなく、角質増殖型水虫かもしれませんので、医者にかかった方がいいでしょう。
さらに症状が悪化すると、足の裏の皮膚が、ボロボロとはがれ落ちます。足の裏にとどまらず、爪白癬を生じさせることもあります。

角質増殖型の原因

角質増殖型水虫

「角質増殖型水虫」の原因は、「角質増殖型水虫」です。どういうことかというと、はがれ落ちた足の裏の皮膚は、白癬菌の巣です。これが床に落ちると、それを踏みつけた人にうつってしまいます。
また、犬や猫などのペットから人に、白癬菌がうつる場合があります。逆に、人間の白癬菌がペットにうつり、ペットが水虫になることもあります。

角質増殖型の治療法

治療法もやっかいです。患部の皮が厚く硬くなるので、塗り薬では浸透しにくいのです。そこで、飲み薬で治療することになります。しかし、白癬菌に接触する塗り薬と異なり、飲み薬は、一度、腸や肝臓で薬の成分を吸収してから、血液によって患部に届きます。効果を発揮するまでに時間がかかります。改善傾向が現れるまでに2カ月程度、完全に治るにはどんなに早くても3カ月はかかるでしょう。
症状によっては、塗り薬やスプレータイプの薬も処方されます。入浴後の、皮膚がふやけているときに患部に付けることで、薬の成分の浸透を促します。

銭湯やプールによく行く人は、足の裏に異変を感じたら、それがどんなに小さいものでも、医者にかかった方がよいかもしれません。また、糖尿病の人は、免疫力が落ちていることが多いので、白癬菌に負けてしまい、角質増殖型水虫を発症したり、治療効果が高まらなかったりすることがあります。

「水虫キャッチボール」という言葉をご存じですか。
家族の1人が発症して治療を受け、症状がなくなっても、その後、別の家族が水虫を発症することがあります。さらに、うつされた家族が治療を受けて、それが治っても、また別の家族が水虫になります。回り回って、最初の1人目が再発します。
――こんな現象を起きるのは、水虫の症状が悪化した人しか、治療に取りかからないからです。家族の中に水虫が発生したら、「すでに全員にうつっているかも」と疑ってください。家族が一緒に治療を受けることが望ましいでしょう。

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