本記事の監修医師

sakumadr

さくま診療所

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今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『膣カンジダとデリケートゾーンの痒み』をご紹介させて頂きます。

女の人が、デリケートゾーンがかゆくなったときに考えることは、この2つではありませんか。「気のせいだ」と「もしかしたらアレが?」
――でも、もし性交の後に「デリケートゾーンのかゆみ」が発生していたら、決して「気のせいだ」と思わないでください。必ずなんらかの対策を取りましょう。しかし、濃厚接触がない場合でも、経過観察を怠らず、かゆみが強くなったら、医者にかかってください。
「デリケートゾーンのかゆみ」は放置しない、これが大原則です。

デリケート

さまざまな症状

一口に「デリケートゾーンのかゆみ」といってもさまざまな症状があります。症状の違いは、病気の違いです。まずは、症状の特徴と、病気の関係をみてみましょう。

◆「カンジダ膣炎」の場合、かゆみと同時に、「硬いチーズを指の爪で削ったような」ぼろぼろした白いおりものが症状として現れます。

◆「トリコモナス膣炎」の場合、かゆみの場所は外陰部です。そして、強いかゆみが特徴です。放置しておくと、ただれてくることがあります。おりものは、独特な臭いを放ちます。

◆「ケジラミ症」によるかゆみは、ケジラミの増加とともに強くなるので、「最初は小さなかゆみで、だんだん強くなる」という特徴があります。
ケジラミは、肉眼で確認できます。陰毛の根元に小さいつぶつぶが見えたら、それがケジラミです。「小さなかさぶたのよう」とも言われます。ずっと観察していると、少しずつ動きます。
すみついたばかりのケジラミは、まだ血を吸っていないので白いです。「フケかな?」と思うでしょう。長くすみついているケジラミは赤くなっています。

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原因について

◆「カンジダ膣炎」の原因は、カンジダ菌です。この菌は、誰でも持っているのですが、健康な人は、この菌に打ち克つことができるので、症状が出ないのです。つまり、カンジダ菌が原因で「デリケートゾーンのかゆみ」が発症した人は、免疫力が落ちている可能性があります。
最近、ストレスを感じていませんか? よく眠れていますか? 外食が多くないですか?
こうしたことに思い当たったら、治療の最初の一歩は、生活の改善と、職場や学校でのストレスコントロールです。

◆「トリコモナス膣炎」は、ほとんどは性交でトリコモナス原虫が感染して発症します。この虫は、膣内にすみついてしまうのです。
ただトリコモナス原虫が、必ず「デリケートゾーンのかゆみ」を引き起こすかというと、そうではありません。やはり健康な人は、自身の免疫力によって、トリコモナス原虫を押さえつけることができるのです。

◆「ケジラミ症」も性交による感染が多いです。ただ気を付けなければならないのは、ケジラミノ場合は、感染者が使ったタオルや毛布を使っても、感染することが報告されています。
ケジラミによる「デリケートゾーンのかゆみ」は、アレルギー反応ですので、アレルギー体質でない人は、感染してもかゆみが生じません。

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治療法と予防法

まずは、生活の改善と、体調管理です。「デリケートゾーンのかゆみ」だけでなく、体のどこの「かゆみ」であっても、かゆみは体の「小さな悲鳴」です。「大きな悲鳴」である「痛み」を放置する人はいないでしょう。すぐに医者にかかります。でも「かゆみ」は、大抵の人は「かゆければ、かけばいい」と考え、医者に行きたがりません。
でも、悲鳴は悲鳴です。「デリケートゾーンのかゆみ」は、あなたに「最近の食事メニューは体に良くないよ」とか「働き過ぎだよ」とか「運動しなさい」と忠告しているです。

生活改善と体調管理に努めても「デリケートゾーンのかゆみ」が治まらない場合、本当は医者にかかっていただきたいのですが、「もう少し様子をみたい」という方のために、自宅で簡単にできる予防策を紹介します。
①清潔を保ってください。薬品メーカーなどから、「デリケートゾーンのかゆみ」専用のボディーソープが発売されています。こうした商品は弱酸性ですので、肌への刺激を極力抑えつつ、同時に防菌が期待できます。
また、洗剤は直接デリケートゾーンに付けるのではなく、まずは手のひらでしっかり泡立ててから、その泡を塗るようにしてください。
衛生を保つために最も有効なのが、ウォシュレットです。清潔の効果は、証明済みです。

②保湿も重要です。ワセリンを使うとよいでしょう。注意したいのは、夏にも保湿が必要だということです。「潤い」と「じめじめ」はまったくの別物です。

③プキンをこまめに換えてください。「デリケートゾーンのかゆみ」が発生したら、これまでの1.5倍の頻度で換えましょう。忙しくて換えるタイミングを逃すと、そこは菌たちの巣になると思ってください。

最後に、お願いです。「デリケートゾーンのかゆみ」が生じたら、「何かの感染」を疑ってください。つまり、性交相手に移されたか、または、性交相手に移している可能性が高いということです。パートナーに正直に話し、対策を考えてください。

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