おたふくかぜ オタフクカゼ

初診に適した診療科目

おたふくかぜはどんな病気?

おたふくかぜはおたふくのような頬になることで知られる流行性疾患で、その本態はウイルス性の耳下腺炎です。頬の皮下にある耳下腺が炎症で腫れるためおたふくのようになります。比較的流行性が高く保育施設単位といった局所的な流行が散発します。

主な症状

頬の腫れと押した時の痛み、そして38度前後の発熱で発症します。頬の腫れは必ずしも両側ではありません。発熱は3日前後でなくなりますが、頬の腫れは1週間前後続くことがあります。合併症として髄膜炎や脳炎、睾丸炎や卵巣炎などを認めることがあります。頻度は高いとは言えませんが重要な合併症として難聴が挙げられます。この難聴は難治性でしばしば生涯付き合っていく必要に迫られます。

主な原因

原因はムンプスウイルスの感染で、唾液などによる飛沫感染や接触感染です。感染力は比較的強くムンプスウイルスに対する抗体がない集団であれば1人の患者から5人前後にうつすと考えられます。患者の2/3は1歳以上から小学校に上がるまでのお子様で、乳児がかかることはまれです。発症後しばらくは感染源となり得るため、学校保健安全法では「耳下腺、顎下腺又は舌下線の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで出席停止」とされています。

主な検査と診断

ほとんどのケースでは症状と流行状況で診断がつきます。検査として血中のムンプスウイルスに対する抗体を測る抗体検査がありますが、そもそも臨床診断がつきやすいのと、結果が判明するまでに時間がかかることなどから出番はあまりありません。

主な治療方法

原因となるウイルスを倒す治療はなく、自分の免疫システムがウイルスを倒します。一方ワクチンで予防することができます。定期接種にはなっていませんが1歳を超えると接種を受けられます。日本小児科学会は1歳になったら1回目、小学校就学前のMRワクチン接種時に2回目の接種を受けることを推奨しています。