急性精巣上体炎 キュウセイセイソウジョウタイエン

初診に適した診療科目

急性精巣上体炎はどんな病気?

急性精巣上体炎は尿の中に含まれている細菌が尿道から精巣上体に侵入することで発症します。
原因となるものは大腸菌や淋菌、クラミジアなどで、前立腺肥大症や尿道炎、尿道狭窄、膀胱結石などの疾患を抱えている方がかかりやすいとされています。
陰嚢内部の痛みから症状は始まり、陰嚢全体への痛みの波及と腫れ、発熱を伴います。ひどい場合には陰嚢から膿が出てくることもあります。

主な症状

急性精巣上体炎の症状は、はじめのうちはどちらかの精巣に軽い痛みを感じます。炎症が進むと陰嚢全体に痛みが広がり、赤く腫れて熱を持ちます。
38度以上の高熱や、頻尿、排尿耳痛などを伴うこともあります。
さらに悪化すると陰嚢に膿が溜まり、ひどい場合には皮膚が破れて膿が出てくることもあります。

主な原因

急性精巣上体炎の原因は、細菌によります。尿自体には炎症を起こすほどの細菌はいませんが、前立腺肥大症、尿道狭窄、膀胱結石のような疾患があると、尿内に細菌が増殖するので精巣上体に炎症を起こしやすくなります。
高齢者の場合は、大腸菌が要因となることが多く、青年層においては、クラミジアや淋菌が精巣上体に至り炎症を起こすことが多いです。

主な検査と診断

急性精巣上体炎の検査方法は、主に尿検査が行われます。尿検査では、尿中の白血球の量と、クラミジアや淋菌などといった細菌感染がないかどうかが調べられます。細菌の種類が特定されることにより、治療に用いられる薬物の適正がわかります。
細菌感染がみられない場合には、血液検査によって炎症反応が全身へ移行していないか調べられます。

主な治療方法

急性精巣上体炎の治療法としましては、尿路感染症に効果のあるペニシリン系や、セフェム系、ニューキノロン系などの抗生物質の経口投与と、局所の冷却や安静を行い、陰嚢を挙上する事で症状が落ち着きます。
全身症状が見受けられる時は消炎鎮痛薬の投与や点滴による治療をします。
基本的に炎症は長くても2週間で収まりますが、腫れや痛みは何ヵ月も続く場合が多く、場合により精巣上体にしこりが残ってしまうことがあります。