肝性脳症

初診に適した診療科目

肝性脳症はどんな病気?

慢性肝炎が進行し肝硬変になると、肝不全を起こします。肝不全とは肝機能の働きが著しく低下した状態で、この肝不全は意識障害も引き起こします。肝不全が原因の意識障害のことを肝性脳症と呼びます。肝臓と脳とには一見それほどの関係性が内容に思えますが、肝臓では様々な毒素を無毒化する働きがあり、その機能が十分に発揮できないため、アンモニアなどの毒素が脳まで広がることが原因のひとつとされます。

主な症状

肝性脳症とは肝臓の機能が低下し、肝臓の解毒作用が低下してしまったために毒素が脳に届き脳症を起している症状のことをいいます。この状態ですと、脳が駄目になるだけでなく、肝機能が完全に死滅してしまうので早い段階で血漿交換をすることで肝機能を改善させる必要があるのです。早い段階での血漿交換が効果を発揮することが証明されています。

主な原因

腸の中では、身体に有害なアンモニアが発生します。そのアンモニアは血液によって肝臓に運ばれていき、そこで身体に無害なものへ変えられます。しかし、肝臓の機能が低下している場合、アンモニアがきちんと解毒されず脳に運ばれてしまうことがあります。それが肝性脳症の原因です。ただし、アンモニアだけがこの病気を引き起こすのではなく、他の物質の関与も指摘されています。

主な検査と診断

肝性脳症の検査方法は、内診においては意識障害があるかどうかが決定的な部分となります。意識が混濁してしまうようなことが頻発するならば、こうした病気を疑うきっかけとなるのです。また、CTをとったりMRI検査をやった場合に萎縮などの症状がはっきりと現れますから、画像診断を行ったうえで、そこに明らかな異変が見受けられればこの病気を診断することができるのです。

主な治療方法

肝性脳症の治療法にはどういうものがあるのでしょうか。まず、食事制限による治療があります。ここでは、タンパク質の量を制限することによって行います。それ以外の専門的な治療の方法には、薬物投与があります。腸内窒素化合物を除去する薬、アンモニア産生腸内細菌の活動等を抑える抗生剤、血漿アミノ酸のバランスを保つ薬等が採用されています。