サイトメガロウイルス肺炎 サイトメガロウイルスハイエン

初診に適した診療科目

サイトメガロウイルス肺炎はどんな病気?

サイトメガロウイルス肺炎は、我が国では成人のほぼ8割から9割の人が感染しているサイトメガロウイルスによって発症する肺炎です。このウイルスには生まれてから思春期までの間に感染しますが、ほとんどの場合において感染をしても症状を発症することはありません。しかし臓器や骨髄の移植を受けたり、エイズに罹患したりして免疫機能が著しく低下するような状況に陥ると、ウイルスが活発化して同肺炎を発症します。

主な症状

サイトメガロウイルス肺炎は、初期の状態では、発熱やせき(痰を伴わない乾いたせき)、息切れや呼吸困難など、間質性肺炎の様な症状があらわれます。呼吸困難による低酸素症によりチアノーゼを生じ、爪や唇が紫色になります。またその後、呼吸不全へと進行し、肝機能障害、網膜炎を合併することもあります。胸部レントゲンにはスリガラス状の影が見られます。

主な原因

サイトメガロウイルス肺炎の原因は、サイトメガロウイルスの感染が引き起こすことにより発生します。日本人のほとんどは、子供の時代にすでにこのウイルスに感染しています。ただし通常においては、病状が体に表れることはありません。しかし、骨髄移植や臓器移植、あるいは細胞性免疫の不全によってサイトメガロウイルスが再活性化し、肺炎を引き起こします。

主な検査と診断

サイトメガロウイルス肺炎の検査方法は、細胞の検査や感染細胞の検出などによって実施していきます。気管支肺胞洗浄や肺生検材料による細胞の検査、さらに病理組織からサイトメガロウイルスの感染細胞の検出によって、メガロウイルスに感染し再活性化しているかどうかを調べる事が出来ます。またアンチゲネミア法という新たな検査法が利用されています。

主な治療方法

サイトメガロウイルス肺炎の標準的な治療法は、ガンシクロビル(デノシン)とホスカルネット(ホスカビル)の併用療法です。ガンシクロビルだけの治療有効率は低いとされており、しかも副作用として白血球減少や好中球減少という骨髄抑制がおこるため、G-SCF製剤を使用して治療を続けます。骨髄抑制が強くて継続できないときはホスカルネットの使用を考慮します。