棘融解性水疱 トゲユウカイセイスイホウ

初診に適した診療科目

棘融解性水疱はどんな病気?

表皮内水疱の一つに棘融解性水疱があります。表皮細胞間橋が解離し、表皮細胞がバラバラになる状態で、デスモームが緩み細胞の結び付きがなくなることを棘融解といい、個々の細胞である棘融解細胞の棘融解が高度、広範囲に現れることを棘融解性水疱といいます。尋常性天然痘では、基底細胞直上に生じる棘融解性水疱の場合には、墓石状配列をとります。

主な症状

棘融解性水疱は、口内や咽頭、膣などの粘膜や、腕や脚の関節の皮膚上などに水泡の症状があらわれます。この水泡は圧力などの刺激を与えると破れてしまい、中からは悪臭を伴う液が滲み出してきます。水泡は1度消えてもまたあらわれることが多く、難治性であり、水泡が消えた後も皮膚上に色素を沈着させて痕を残します。特に粘膜に出来た水泡は、痛みを伴うことがあります。

主な原因

棘融解性水疱とは表皮細胞がばらばらになってしまう状態のことです。この原因としては、自己免疫機構の異状により自己の細胞を異物と認識して皮膚細胞を攻撃することによって表皮細胞がばらばらになってしまうのです。そのため治療方法として確立されているものが無いのでこの病気を発症しますとかなり治療法がないのでかなりつらい症状なのです。

主な検査と診断

棘融解性水疱の主な検査方法には、特定の診断基準を用いた生体検査が用いられます。この検査では病理組織を調べる為に生体検査が必要で、一部の皮膚を切除して行う皮膚の生検が用いられます。この疾患の検査では、生体検査で棘融解による表皮の内水疱を調べる事が重要な要素となるのです。又、免疫組織の検査としては、皮膚と血液を採取する検査で、病変部や粘膜部の細胞膜にある特定の物質を検査します。

主な治療方法

棘融解性水疱の治療法としては、ステロイド剤の投薬によって治療していきます。近年ステロイドの副作用について取り立たされていますが、ステロイドがなかった時代、この病気で死に至ることもあったのです。ステロイド投薬で快方に向かわない場合は、免疫抑制薬を使用して治療します。血清浄化療法や免疫グロブリン大量療法によって治療していきます。