カラ・アザール カラ アザール

初診に適した診療科目

カラ・アザールはどんな病気?

カラ・アザールとは、内臓リーシュマニア症とも呼ばれている感染症のことで、リーシュマニアという原虫に感染したサシチョウバエに刺されると感染します。日本には媒介する昆虫はいませんが、まれに感染流行地から輸入されることがあります。2~6か月の潜伏期間の後、発熱し内臓の膨満や皮膚異常が現れます。治療薬には、毒性の高いアンチモン剤が用いられ、嘔吐・頭痛・腹痛などの副作用があります。

主な症状

カラ・アザールの症状は、感染源となる虫に刺されて感染してから2か月から半年以内にあらわれます。最初は熱が出て、次第に臓器が炎症を起こして腫れ上がり、それに連れて、外から見て分かるぐらいに腹部が膨らんでいきます。血色が悪くなり、皮膚は質感も色も灰のように変化していきます。そして貧血症状を呈した後、身体が弱ることにより様々な合併症を引き起こしていきます。

主な原因

カラ・アザールは、この病気を発症する原因となる、リーシュマニアという原虫を保有している蠅が生息している地域に旅行などで赴き、そこでその蠅に刺されることで起こります。日本にはいない蠅なので、そうした蠅がいる地方に旅行し慣れない日本人が油断をして、暑いからと半袖の衣服を身に着けて移動したり、就寝してしまうことが、この蠅に刺されてカラ・アザールになる原因となります。

主な検査と診断

カラ・アザールの診断をするための検査方法でもっとも行われているものは、信頼度の高い結果が得られる骨髄穿刺と脾臓穿刺です。骨髄や脾臓から採取した検体を調べることで原虫の有無を確定します。このほかにも血清中の抗体を検出するという方法や、血液の中に存在する抗原や原虫のDNAを検出するという比較的患者への負担が軽い方法での検査が行える医療機関もあります。

主な治療方法

カラ・アザールの治療法は、ペントスタムを使用することが多い傾向にあります。ただし完全な治療法とは言い難く、完治までにさまざまな副作用が生まれます。嘔吐、腹痛などは最低でも覚悟しておいた方が良く、頭痛も併用することが多いです。体力の消耗も激しいため、栄養の摂取も必要ですが、食欲が低下するので食事を摂る方法にも工夫が必要といえます。