回転異常腎 カイテンイジョウジン

回転異常腎はどんな病気?

胎児期に腎臓が形成される時、まず骨盤内に発生してから上昇し、腹腔に収まります。その時腎臓は腎盂の面を腹側から脊柱側へ向けるように回転します。この回転が起こらず、前を向いたままで完成してしまったのが回転異常腎です。形成の異常ではありますが、病気を起こすことはほとんどなく、検査などで偶然見つからなければ気づかずに一生を過ごしてしまうこともあります。

主な症状

回転異常腎は主に女性が出産する際に見られるもので、出産時に腎臓が正常に回転しない事であり、主な症状として膀胱炎や腹痛といった症状が挙げられます。しかし、回転異常腎が発症したとしても症状が起こらない場合もあります。ですが、尿が正しく作られなくなると体の有害な物質を放出する事が出来ずに、最悪の場合死に至ってしまう事があります。

主な原因

腎臓は妊娠8週から9週前後に形成される臓器です。母体の羊水過少などにより様々な異常を引き起こすことがあります。回転異常腎は、母親のおなかの中で胎児の腎臓が形成される時に、通常は腎盂面を脊柱に向けるような向きになるように回転しながら上昇して正常な位置に留まるのに対し、腎臓の回転がうまく行われず正常な向きで留まらないことが原因で起こります。

主な検査と診断

回転異常腎の検査方法は、超音波検査、CT、MRI検査、血液検査、尿検査が一般的です。問診を行い回転異常腎の疑いが持たれた場合に、まず腹部超音波検査が行われます。ドップラーにより血流信号が正常かどうかを調べます。超音波検査で腎臓移植などの疑いが持たれた場合もしくは、血液、尿検査で異常が見つかった場合、CTスキャン及びMRI検査を行い診断を確定させます。

主な治療方法

回転異常腎の基本的な治療法は、保存的な手法が多く採用されています。特に症状が重くなく、腎不全へ進展する可能性が低い場合には、腎周囲の脂肪をコントロールしたり、腎臓のサポートを行うために体重を変動させます。また、この疾患の理学療法としては、腹筋や背筋の筋力を強化する運動療法や、コルセットなどを使用し、腹壁をサポートする治療方法も採用されています。