先天性副腎皮質過形成症 センテンセイフクジンヒシツカケイセイショウ

初診に適した診療科目

先天性副腎皮質過形成症はどんな病気?

先天性副腎皮質過形成症は、ホルモン生成の酵素の欠陥により一部のホルモンが過剰に作られることにより引き起こされる病気です。これらは、主に遺伝子の異常によって発症するものです。代表的な病状である21水酸化酵素欠損症では、体重減少や嘔吐、ナトリウムの喪失などの病状が表れます。血液検査によって、ホルモン値の異常などが見られます。

主な症状

先天性副腎皮質過形成症では、副腎皮質から分泌されるホルモンのどれが不足しているかによって症状が異なってきます。糖質コルチノイドは生命の維持に密接な関係がありますが、これが不足してしまうと急性・慢性の腎不全を引き起こすことになります。また、鉱質コルチノイドは電解質の調整を行っているため、これが不足すると血液中の塩分量を保つことができなくなり脱水状態になります。

主な原因

先天性副腎皮質過形成症の原因は、遺伝子による酵素の異常によって起きるものです。副腎皮質では、糖質コルチコイドが生成されています。この糖質コルチコイドが生成されるためには、数種類の酵素が必要になってきます。しかし遺伝子の異常によってこれらの酵素が作り出せないため、副腎が機能しなくなります。糖質コルチコイドは生命維持に強く関わるため、重大な病状を引き起こします。

主な検査と診断

先天性副腎皮質過形成症は、赤ちゃんの時期に副腎不全症だったり女子の場合は外性器に異常がみられます。検査方法としては現在は、全新生児に出生した医療機関で先天代謝スクリーニング検査を受けることになっています。副腎皮質のホルモンやACTH、レニン活性などが測定されます。患者さんが安全なら不可試験が行われたり、外性器のレントゲンも行われることがあります。

主な治療方法

先天性副腎皮質過形成症の治療法は、不足している副腎皮質ホルモンを服用することですが、決められた量を服用することが絶対条件です。また、普段は不足してしまうステロイドホルモンを服用して補いますが、鉱質コルチロイドが不足するときにはフロリネフも服用します。急性副腎不全の症状がある場合には、点滴をして副腎皮質ホルモンを静脈内に投与することもあります。