サイトメガロウイルス網膜炎 サイトメガロウイルスモウマクエン

初診に適した診療科目

サイトメガロウイルス網膜炎はどんな病気?

サイトメガロウイルス網膜炎とは、サイトメガロウイルスによって引き起こされる網膜炎のことです。サイトメガロウイルスは、ヘルペスウイルスの一種です。視力低下、飛蚊症の発生を引き起こし、最終的には網膜の壊死を誘発して視力を完全に喪失します。サイトメガロウイルスは日本人の8割から9割が持っているので、誰にでも起こる可能性のある病気です。

主な症状

サイトメガロウイルス網膜炎を発症した際に見られる症状としては、視力の低下などが挙げられます。初期の段階では片方の目にのみ視力低下がみられ、進行すると両方の目にその状態がみられます。また、視力低下の他に飛蚊症を起こす人や、重篤化の傾向が進んでいくと網膜の剥離を起こしてしまい著しい視力の低下を引き起こす患者も見受けられます。

主な原因

サイトメガロウイルス網膜炎には、先天性のものと後天性のものとが存在します。先天性のサイトメガロウイルス感染症による網膜炎は、胎児のときに母体内で胎盤を経由して感染することが原因となり発症します。後天性のものは、すでに体内にサイトメガロウイルスが感染している状態で、身体の免疫力が低下しているときに発症します。一般的に成人の場合は後天性のものです。

主な検査と診断

サイトメガロウイルス網膜炎の検査方法は、全身の免疫不全に伴う特徴的な眼底所見によりなされます。詳細な検査では、ウイルスの抗原の検出が行なわれます。近年では、分子生物学的手法(PCR法)を用いたウイルスDNAの検出が多様化されてきています。PRC法は、特異的なウイルスDNAの検出が可能になります。また、検査、診断を通して他のヘルペスウイルスによる感染症などと鑑別する必要があります。

主な治療方法

サイトメガロウイルス網膜炎に有効な治療法は、全身への抗ウイルス薬の投与が最も効果がある方法として挙げられます。ガンシクロビルと呼ばれる薬剤を全身に投与することで症状の改善を目指す治療の方法であり、最も行われている方法です。この抗ウイルス薬の投与は長期間にわたって継続する必要があり、経過をみながらの投与をする必要があります。