乳輪下膿瘍 ニュウリンカノウヨウ

初診に適した診療科目

乳輪下膿瘍はどんな病気?

乳輪下膿瘍とは、黄色ブドウ球菌などの細菌が乳頭の入管口から侵入することによって、乳輪の下に膿が溜まるという病気です。
難治性で炎症を繰り返し、膿瘍が破れ管状の穴を形成し、膿がでるようになります。
妊娠・授乳とは無関係で、20〜30歳代の女性に好発し、広い年齢に見られます。
特にヘビースモーカーや陥没乳頭の女性に多く見られ、乳腺の働きが不活発であることが原因で起こることが多いようです。

主な症状

乳輪下膿瘍の症状は、まず乳輪の周りに痛みを伴うしこりが発生します。ここから治療せずに悪化していくと、しこりがある部分が赤く腫れていき発疹も発生します。乳輪周囲が熱を持った感じがすることもあります。
また、乳頭から膿のような分泌物があったり、皮膚に膿を出す瘻孔が見られることもあります。
さらに膿瘍が発生したままにしておくと、内部で化膿してしまう恐れがあり、長期間に渡り再発する恐れもあります。

主な原因

乳輪下膿瘍の原因は、乳管に老廃物やケラチンなどが詰まることによって起こる炎症です。その炎症部分が細菌に感染することによって、膿瘍ができてしまいます。
乳頭が陥没していることも要因になると言われており、授乳の経験がなくても炎症をおこすとされています。。
また、炎症は乳管が広がっているということにも起因すると考えられています。

主な検査と診断

乳輪下膿瘍の治療する前に行われる検査方法としてははまず問診により症状を聞き、触診にてしこりを調べます。
乳がんの恐れも疑われる場合がありますのでマンモグラフィーで石灰化の有無などを調べます。
またエコー検査で患部の様子を観察しながら、患部に針を刺してその部分の膿を取り出して組織を調べたり、血液検査の結果などから病気の最終的な判断を下します。

主な治療方法

乳輪下膿瘍の治療法は、急性の場合と慢性の場合で異なります。急性の場合は超音波で膿瘍を描出し、穿刺によって確認した後、切開して膿を排出します。
慢性の場合は長期にわたり再発を繰り返しますので、切開による排膿と抗生物質の投与を行い、炎症が軽減してから手術を行います。
手術では瘻孔部、もしくは膿瘍部から色素を注入し、膿瘍部および病巣乳管を切除します。