ピック病 ピックビョウ

初診に適した診療科目

ピック病はどんな病気?

ピック病とは認知症の一種で、神経細胞内に「ピック球」が出現する病気です。人格障害や情緒障害が初期症状で、アルツハイマーよりは平均して発症年齢が若干若くなっており、40歳から60歳に多いです。脳の前頭葉から、側頭葉にかけての範囲が委縮するのが特徴です。有効な治療法は現在開発されておらず、多くが介護でまかなわれているのが現状です。

主な症状

ピック病の症状は、ごく軽度の場合は人格の変化として、自発性の欠如や衝動的、無頓着、更に反社会的行動として窃盗や虚言、性的いたずらなどをおこないます。それが進むと、無関心、怠惰、何を聞かれても同じ答えを繰り返すようになります。現在の場所認識ができなくなります。記憶力は減退します。そうして、重度になると、精神活動はほとんど消失し、無為、ぼんやりとし、自発性が低下した状態となります。

主な原因

ピック病は、正確な原因が不明とされているため、情報が少なく、正確な診断を受けるのに、時間がかかってしまい、症状が進行してしまうため、認知度を高めていく必要性がある病気です。脳の前頭葉と側頭葉の収縮などや脳細胞の萎縮により、神経細胞のニューロンが侵害されて、異常な物質(ピック小体)がみられることで発症します。優性遺伝疾患とも言われています。

主な検査と診断

若年性認知症のひとつであるピック病の検査方法としては、前頭葉や側頭葉をCTやMRIで検査する方法があり、これにより脳の収縮加減を調べて病気かどうかを判断します。その他の方法としては、脳の血流が良いのか悪いのかといった検査や、ブドウ糖の代謝が下がってきていないかなどをSPECTやPETなどで調べて、この病気を判断する方法もあります。

主な治療方法

ピック病の治療法は、現在の医学ではまだ有効な治療は存在しません。ですから薬物による対処療法や、介護だけが行われています。このような遺伝子の異常によっておきる先天性代謝異常の根治治療は、臨床的に行われないと非常に難しい状態にあります。そして再生医療も同時に平行して行わないと、患者は一生その病状のまま過ごすことになります。