メタボリックシンドローム
2009/05/14更新
メタボリック症候群をご存知ですか?
→ 最近内科系の複数の学会が話し合って「メタボリック症候群」なる概念を発表しました。これは内臓肥満とともに中性脂肪の上昇とHDL(善玉)コレステロールの低下、高血糖、高血圧のいずれか2つを併せ持っている場合に適応される病名で、その背景には年々心筋梗塞や脳卒中といった血管の病変が原因となる疾患が増加していることがあります。つまり、これら1つ1つが軽度でも組み合わさり、メタボリック症候群になると血管系の疾患にかかる確率が2倍以上になるのです。男性はウェスト85cm以上、女性では90cm以上が内臓肥満の指標になります。早速こっそりと巻尺で計ってみてはいかがでしょうか。
高脂血症と言われた方へ
→ 高脂血症にはコレステロールが高い場合と中性脂肪が高い場合(あるいはその両方)があります。通常、これらが高いだけではなにも症状はありません。問題はこのような状態を放置しておくと動脈硬化が進行し、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの重大な病気にかかりやすくなることです。つまりこれらの病気を予防するために高脂血症を是正する必要があるのです。ここで注意しておきたいのは、中性脂肪減少には運動やカロリー、アルコール摂取を減らすことが極めて有効ですが、コレステロールに関してはこれらの効果がやや少ないということです。したがってコレステロールが高い方は早めに一度医師に相談し、場合により薬の服用をしたほうが良いことがあります。
糖尿病治療に関する最近の考え方(内服薬編)
→ 従来、糖尿病は血糖をコントロールするインスリンというホルモンが不足する事によって引き起こされると考えられてきましたが、最近になってインスリンは不足していないのに、それに反応しにくいために血糖が高くなり、糖尿病になってしまうケースが多いことがわかってきました(インスリン抵抗性といわれています)。この場合、インスリン分泌を増やす薬を飲んだりインスリンの注射をしてしまうと血糖値は下がりますが、肥満をかえって助長してしまう(インスリンには体脂肪を増やす働きがあるため)ことがあります。現在は5つのタイプの内服薬があり、その中にはインスリン抵抗性を是正するものもあるので、これらを上手に使いわけることが我々医師の腕の見せ所です。
糖尿病治療に関する最近の考え方(インスリン注射編)
→ インスリンの注射は膵臓からのインスリンの分泌量が不足したときに行うものです。インスリン分泌が急速に廃絶されてしまうI型糖尿病の患者さんにとってはなくてはならないもので、これは従来からの考え方と違いはありません。問題はインスリン分泌が徐々に減少する場合のあるII型糖尿病(II型糖尿病のすべてがインスリン不足になるわけではありません)に対するインスリンの使い方です。従来多かったパターンはインスリン分泌を促進する内服薬で頑張れるだけ頑張って、インスリン分泌がかなり不足してから注射を始めるもので、この場合は一旦インスリン注射を開始するとほとんどは一生やめられなくなります。ところが、インスリンの分泌が不足し始めたとき、早めに十分な量のインスリン注射を始めると、膵臓からの分泌が回復しインスリン注射が必要なくなるケースがあることがわかってきました。つまり、早めのインスリン注射が膵臓のインスリン分泌能を回復させるのです。ですから、インスリン注射を始めると一生やめられなくなるという考え方は正しくありません。
高血圧の薬をはじめると一生やめられないのでしょうか?
→ 高血圧の治療を開始するとき患者さんからこのような質問をお受けすることがありますが、必ずしもそのようなことはありません。肥満や強いストレスのある方はそれらの是正により血圧が低下することが多いので一旦始めた薬を止めるケースが多くあります。また、夏は血圧が下がるので一時的に薬を中止することもあります。その場合は家庭血圧を測定することにより一年中適切な血圧を保つことが容易になりますので、血圧測定だけは一生続けたほうがよいと思います。
高血圧治療に関する最近のトレンド
→ 高血圧は放置しておくと脳卒中、心筋梗塞、網膜症、腎機能障害などの重大な病気の原因となるためそのコントロールは重要であり、しばしば患者さんに降圧剤を服用していただくこととなります。しかし、医療施設で血圧を測定すると普段の血圧よりも上がってしまうことが多いため、最近はご家庭で測定する血圧が徐々に重要視される傾向にあります。また、血圧をどこまで下げるかということに関してWHO(世界保健機関)では 120/80が望ましいと報告しており、副作用が出ない限りはなるべく下げたほうが良いという意見が多くなっています。ただし、高齢者や脳梗塞を起こした方に関しては血圧の下げすぎは良くないと主張する意見もあり、はっきりした結論は出ていません。
降圧剤はただ血圧を下げるだけで良いのでしょうか?
→ 今まで、降圧剤は血圧を下げる効果が重視される傾向にありましたが、最近降圧剤を服用したことによるメリットがどの点にあるのか(心筋梗塞や脳卒中の予防、寿命の延長など)が重視されてきており、それを確かめるためにすでに市販された薬剤を対象とした大規模試験がいくつも行われています。つまり、その結果により今まで我々が使用してきた薬剤の効果が再評価されることとなり、高血圧の治療方針に影響をおよぼすこととなるのです。
ご家庭での血圧測定のススメ
→ 医療機関で血圧を測定すると普段より高くなってしまうと感じておられる方は多いと思います。これは白衣高血圧と呼ばれており、精神的な緊張が原因です。最近、血圧の正確な把握のために家庭で血圧を測定することが学会でも重視される傾向にあります。そこで、検診や人間ドックで血圧が高いと言われた方、高血圧で治療中の方はご家庭で血圧を測定することをお勧めします。測定器は普通の電器屋さんで売っているものでOKですが、腕で測るものが良く、指や手首で測るものは結果が不安定なので避けたほうが無難です。測定の時間は起床直後や降圧剤内服前が最も良いようです。高血圧学会では135/85mmHgまでを正常としています。
肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症の4つが合わさると要注意です。
→ 肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症の4つが合併した場合をさして「死の四重奏」といわれる恐ろしい状態になります。何がそんなに恐ろしいのかと言うとこの4つが合併しても何ら症状はないのに、急速に動脈硬化が進行し、脳卒中、心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こすからなのです。もしあてはまる方はこれらの一つ一つが軽症であっても医師と相談のうえ、充分な治療をすることを強くお勧めします。
低血圧が気になる方へ
→ 一般に上の血圧がいつも100より低い状態を低血圧といいますが、他に病気がない場合は寿命に影響することはないといわれています。症状がなければ放置可能ですが,急に起き上がったり、立ち上がったりしたときに立ちくらみやめまいがあるときは起立性低血圧(いわゆる脳貧血)の可能性があります。この場合はゆっくりと動作をすることで発生を防止できることが多く、特に寝た状態からは足の屈伸を2~3回してから起き上がるとよいでしょう。それでも症状がよくならないときは医師にご相談されることをお勧めします。
→ 最近内科系の複数の学会が話し合って「メタボリック症候群」なる概念を発表しました。これは内臓肥満とともに中性脂肪の上昇とHDL(善玉)コレステロールの低下、高血糖、高血圧のいずれか2つを併せ持っている場合に適応される病名で、その背景には年々心筋梗塞や脳卒中といった血管の病変が原因となる疾患が増加していることがあります。つまり、これら1つ1つが軽度でも組み合わさり、メタボリック症候群になると血管系の疾患にかかる確率が2倍以上になるのです。男性はウェスト85cm以上、女性では90cm以上が内臓肥満の指標になります。早速こっそりと巻尺で計ってみてはいかがでしょうか。
高脂血症と言われた方へ
→ 高脂血症にはコレステロールが高い場合と中性脂肪が高い場合(あるいはその両方)があります。通常、これらが高いだけではなにも症状はありません。問題はこのような状態を放置しておくと動脈硬化が進行し、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの重大な病気にかかりやすくなることです。つまりこれらの病気を予防するために高脂血症を是正する必要があるのです。ここで注意しておきたいのは、中性脂肪減少には運動やカロリー、アルコール摂取を減らすことが極めて有効ですが、コレステロールに関してはこれらの効果がやや少ないということです。したがってコレステロールが高い方は早めに一度医師に相談し、場合により薬の服用をしたほうが良いことがあります。
糖尿病治療に関する最近の考え方(内服薬編)
→ 従来、糖尿病は血糖をコントロールするインスリンというホルモンが不足する事によって引き起こされると考えられてきましたが、最近になってインスリンは不足していないのに、それに反応しにくいために血糖が高くなり、糖尿病になってしまうケースが多いことがわかってきました(インスリン抵抗性といわれています)。この場合、インスリン分泌を増やす薬を飲んだりインスリンの注射をしてしまうと血糖値は下がりますが、肥満をかえって助長してしまう(インスリンには体脂肪を増やす働きがあるため)ことがあります。現在は5つのタイプの内服薬があり、その中にはインスリン抵抗性を是正するものもあるので、これらを上手に使いわけることが我々医師の腕の見せ所です。
糖尿病治療に関する最近の考え方(インスリン注射編)
→ インスリンの注射は膵臓からのインスリンの分泌量が不足したときに行うものです。インスリン分泌が急速に廃絶されてしまうI型糖尿病の患者さんにとってはなくてはならないもので、これは従来からの考え方と違いはありません。問題はインスリン分泌が徐々に減少する場合のあるII型糖尿病(II型糖尿病のすべてがインスリン不足になるわけではありません)に対するインスリンの使い方です。従来多かったパターンはインスリン分泌を促進する内服薬で頑張れるだけ頑張って、インスリン分泌がかなり不足してから注射を始めるもので、この場合は一旦インスリン注射を開始するとほとんどは一生やめられなくなります。ところが、インスリンの分泌が不足し始めたとき、早めに十分な量のインスリン注射を始めると、膵臓からの分泌が回復しインスリン注射が必要なくなるケースがあることがわかってきました。つまり、早めのインスリン注射が膵臓のインスリン分泌能を回復させるのです。ですから、インスリン注射を始めると一生やめられなくなるという考え方は正しくありません。
高血圧の薬をはじめると一生やめられないのでしょうか?
→ 高血圧の治療を開始するとき患者さんからこのような質問をお受けすることがありますが、必ずしもそのようなことはありません。肥満や強いストレスのある方はそれらの是正により血圧が低下することが多いので一旦始めた薬を止めるケースが多くあります。また、夏は血圧が下がるので一時的に薬を中止することもあります。その場合は家庭血圧を測定することにより一年中適切な血圧を保つことが容易になりますので、血圧測定だけは一生続けたほうがよいと思います。
高血圧治療に関する最近のトレンド
→ 高血圧は放置しておくと脳卒中、心筋梗塞、網膜症、腎機能障害などの重大な病気の原因となるためそのコントロールは重要であり、しばしば患者さんに降圧剤を服用していただくこととなります。しかし、医療施設で血圧を測定すると普段の血圧よりも上がってしまうことが多いため、最近はご家庭で測定する血圧が徐々に重要視される傾向にあります。また、血圧をどこまで下げるかということに関してWHO(世界保健機関)では 120/80が望ましいと報告しており、副作用が出ない限りはなるべく下げたほうが良いという意見が多くなっています。ただし、高齢者や脳梗塞を起こした方に関しては血圧の下げすぎは良くないと主張する意見もあり、はっきりした結論は出ていません。
降圧剤はただ血圧を下げるだけで良いのでしょうか?
→ 今まで、降圧剤は血圧を下げる効果が重視される傾向にありましたが、最近降圧剤を服用したことによるメリットがどの点にあるのか(心筋梗塞や脳卒中の予防、寿命の延長など)が重視されてきており、それを確かめるためにすでに市販された薬剤を対象とした大規模試験がいくつも行われています。つまり、その結果により今まで我々が使用してきた薬剤の効果が再評価されることとなり、高血圧の治療方針に影響をおよぼすこととなるのです。
ご家庭での血圧測定のススメ
→ 医療機関で血圧を測定すると普段より高くなってしまうと感じておられる方は多いと思います。これは白衣高血圧と呼ばれており、精神的な緊張が原因です。最近、血圧の正確な把握のために家庭で血圧を測定することが学会でも重視される傾向にあります。そこで、検診や人間ドックで血圧が高いと言われた方、高血圧で治療中の方はご家庭で血圧を測定することをお勧めします。測定器は普通の電器屋さんで売っているものでOKですが、腕で測るものが良く、指や手首で測るものは結果が不安定なので避けたほうが無難です。測定の時間は起床直後や降圧剤内服前が最も良いようです。高血圧学会では135/85mmHgまでを正常としています。
肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症の4つが合わさると要注意です。
→ 肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症の4つが合併した場合をさして「死の四重奏」といわれる恐ろしい状態になります。何がそんなに恐ろしいのかと言うとこの4つが合併しても何ら症状はないのに、急速に動脈硬化が進行し、脳卒中、心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こすからなのです。もしあてはまる方はこれらの一つ一つが軽症であっても医師と相談のうえ、充分な治療をすることを強くお勧めします。
低血圧が気になる方へ
→ 一般に上の血圧がいつも100より低い状態を低血圧といいますが、他に病気がない場合は寿命に影響することはないといわれています。症状がなければ放置可能ですが,急に起き上がったり、立ち上がったりしたときに立ちくらみやめまいがあるときは起立性低血圧(いわゆる脳貧血)の可能性があります。この場合はゆっくりと動作をすることで発生を防止できることが多く、特に寝た状態からは足の屈伸を2~3回してから起き上がるとよいでしょう。それでも症状がよくならないときは医師にご相談されることをお勧めします。



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