コラム
2009/05/14更新
うつ病
まず、うつ病あるいはうつ状態に悩む方の急増が問題となっています。多くの子供にもかなりうつ病に近似した状態が見られることが確認されています。
しかも、症状的には軽症化しているようです。しかし、直りやすいとは限りません。
また、以前は、うつ病になられる方の病前性格は「メランコリー親和型」と言われる、生真面目で、頑張り屋で、周囲との関係を大切にし、役割を大切にし、言われたことに熱心にかかわるという性格の方が多いと言うのが定説でしたが、最近は、若い人を中心に、逃避型抑うつ、未熟型抑うつ、自己愛型抑うつなどの、気に入らないとうつ的な状態に陥るタイプが注目され始めています。
不登校・ひきこもり
以前は、頑張り屋の挫折や、優等生の息切れタイプなどが多く見られましたが、最近は、どのように人と関係を結べばよいかわからない・生き方すらわからないようなタイプのお子さんが増えているようです。治療的なアプローチも、昔はそっとしておくと、少しずつ立ち直っていくとされていましたが、最近は、もう少し積極的な対応が必要なケースが増えています。
NPO法人・青山心理グローイングスペースのホームページをご参照ください。
強迫神経症・対人恐怖症の軽症化
うつ病もそうですが、あるいは統合失調症の場合もその傾向がみられますが、強迫神経症(何度も手を洗う、何かが気になって何度も確認するなどの症状)や対人恐怖症などの代表的な神経症も症状的には軽症化しています。その理由ははっきりしません。
解離性障害の増加
多重人格や、一時的に、自分でなくなったり、記憶があいまいになるような解離性障害が、ここ数年増加しています。その理由もはっきりしません。多重人格などは、昔は、精神科医が一生で一人か二人しか出会わないと言われていたのに、外来にまれならず受診されることが当たり前になり始めました。しかも、昔は二重人格やせいぜい三重人格ていどであったのに、最近のタイプはビリーミリガンのように多数の人格が現れることが増えています。
SSRIと言う薬。
これはうつ状態にも効果がありますし、パニック障害にも、強迫性障害にも、対人恐怖症的な悩みにも効果があります。特に、対人恐怖症類似の社会不安性障害に対しても、最近、認可されて、大々的に製薬会社が宣伝していることをご存知の方も多いと思います。この薬は脳内でセロトニンという物質を増やす効果があるのですが、いろいろ仮説はありますが、なぜ、このようにさまざまな効果があるのかは結論が出ていません。しかし、安全性の高い薬ですので、臨床家としては使いやすい薬です。
最近の興味ある論文紹介
Johnson W, et al. (2004)Marriage and personality: A genetic analysis.
Journal of Personality and Social Psychology, 2004; 86: 285-294
この論文、「はじめに」の部分で、結婚がどれだけ身体的・精神的に良いものであるかを論じるために、『結婚に関連するポジティブな結果として、結婚している人では死亡率が低いこと、自己評価による身体的健康度合いが高いこと、リスクを伴う行動をする危険が低いこと、精神的健康度合が高いこと、反社会的行動が低いこと、経済的に成功の確率が高く安定性が高いこと、などなどがある。』というような話をあげています。要するに結婚生活はこうしたポジティブな結果に良い影響を与えている可能性を論じているわけです。しかし、この部分はつっこみどころいっぱいで、結婚によって身体的・精神的健康が向上したり、経済的に成功するのではなくて、身体的・精神的に健康で、身体も丈夫で、反社会的傾向がない良い人であり、経済的に安定した人がより結婚しやすいということだろうとも考えられます。
この研究がすごいのは4000人もの双子を集めてのtwin studyを行い、結婚をするという行動が、果たしてどれだけ遺伝の影響を受けているのかを試算しているところです。結論としては、『結果は、男性においても女性においても、結婚するかしないかということには強い遺伝的な影響が示唆されている』ということになっています。そして、驚く事に結婚するかどうかについての遺伝的影響は女性では72%、男性では66%であると計算しているのです。育ちなどの影響は40%から30%くらいしかなく、出会いの偶然も惹かれあう必然も「遺伝子」という運命的なものによって7割程度も支配されていることにもなります。何だかみもふたもない話です。
興味がありましたら、一読ください
まず、うつ病あるいはうつ状態に悩む方の急増が問題となっています。多くの子供にもかなりうつ病に近似した状態が見られることが確認されています。
しかも、症状的には軽症化しているようです。しかし、直りやすいとは限りません。
また、以前は、うつ病になられる方の病前性格は「メランコリー親和型」と言われる、生真面目で、頑張り屋で、周囲との関係を大切にし、役割を大切にし、言われたことに熱心にかかわるという性格の方が多いと言うのが定説でしたが、最近は、若い人を中心に、逃避型抑うつ、未熟型抑うつ、自己愛型抑うつなどの、気に入らないとうつ的な状態に陥るタイプが注目され始めています。
不登校・ひきこもり
以前は、頑張り屋の挫折や、優等生の息切れタイプなどが多く見られましたが、最近は、どのように人と関係を結べばよいかわからない・生き方すらわからないようなタイプのお子さんが増えているようです。治療的なアプローチも、昔はそっとしておくと、少しずつ立ち直っていくとされていましたが、最近は、もう少し積極的な対応が必要なケースが増えています。
NPO法人・青山心理グローイングスペースのホームページをご参照ください。
強迫神経症・対人恐怖症の軽症化
うつ病もそうですが、あるいは統合失調症の場合もその傾向がみられますが、強迫神経症(何度も手を洗う、何かが気になって何度も確認するなどの症状)や対人恐怖症などの代表的な神経症も症状的には軽症化しています。その理由ははっきりしません。
解離性障害の増加
多重人格や、一時的に、自分でなくなったり、記憶があいまいになるような解離性障害が、ここ数年増加しています。その理由もはっきりしません。多重人格などは、昔は、精神科医が一生で一人か二人しか出会わないと言われていたのに、外来にまれならず受診されることが当たり前になり始めました。しかも、昔は二重人格やせいぜい三重人格ていどであったのに、最近のタイプはビリーミリガンのように多数の人格が現れることが増えています。
SSRIと言う薬。
これはうつ状態にも効果がありますし、パニック障害にも、強迫性障害にも、対人恐怖症的な悩みにも効果があります。特に、対人恐怖症類似の社会不安性障害に対しても、最近、認可されて、大々的に製薬会社が宣伝していることをご存知の方も多いと思います。この薬は脳内でセロトニンという物質を増やす効果があるのですが、いろいろ仮説はありますが、なぜ、このようにさまざまな効果があるのかは結論が出ていません。しかし、安全性の高い薬ですので、臨床家としては使いやすい薬です。
最近の興味ある論文紹介
Johnson W, et al. (2004)Marriage and personality: A genetic analysis.
Journal of Personality and Social Psychology, 2004; 86: 285-294
この論文、「はじめに」の部分で、結婚がどれだけ身体的・精神的に良いものであるかを論じるために、『結婚に関連するポジティブな結果として、結婚している人では死亡率が低いこと、自己評価による身体的健康度合いが高いこと、リスクを伴う行動をする危険が低いこと、精神的健康度合が高いこと、反社会的行動が低いこと、経済的に成功の確率が高く安定性が高いこと、などなどがある。』というような話をあげています。要するに結婚生活はこうしたポジティブな結果に良い影響を与えている可能性を論じているわけです。しかし、この部分はつっこみどころいっぱいで、結婚によって身体的・精神的健康が向上したり、経済的に成功するのではなくて、身体的・精神的に健康で、身体も丈夫で、反社会的傾向がない良い人であり、経済的に安定した人がより結婚しやすいということだろうとも考えられます。
この研究がすごいのは4000人もの双子を集めてのtwin studyを行い、結婚をするという行動が、果たしてどれだけ遺伝の影響を受けているのかを試算しているところです。結論としては、『結果は、男性においても女性においても、結婚するかしないかということには強い遺伝的な影響が示唆されている』ということになっています。そして、驚く事に結婚するかどうかについての遺伝的影響は女性では72%、男性では66%であると計算しているのです。育ちなどの影響は40%から30%くらいしかなく、出会いの偶然も惹かれあう必然も「遺伝子」という運命的なものによって7割程度も支配されていることにもなります。何だかみもふたもない話です。
興味がありましたら、一読ください


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